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2009/02/10
【参院財金委】直嶋政調会長、定額給付金の財政措置を行わない対案趣旨説明 水戸議員質問行う




 参院財政金融委員会は10日午前、民主党はじめ、社民、国民新の野党3党が提出した給付金への支出を禁じる対案「平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例及び同年度における生活・経済緊急対策の実施についての制限に関する法律案」、および政府提出の定額給付金の財源確保などに関する平成20年度第2次補正予算関連法案の審議に入った。

 直嶋正行政調会長が野党3党が提出した対案の趣旨説明を行った。そのなかで直嶋政調会長は、「本日まで2次補正予算関連法案の審議が遅れた原因は、ひとえに与党にあると国民の皆様に申し上げたい」と表明。民主党はじめ野党3党は、参議院における2次補正予算関連法案の審議を求めてきたが、自民党は衆議院における本予算審議を優先させ、法案は60日経てば再議決できるので参議院で審議する必要はないとでもいわんばかりの態度であったと指摘した。直嶋政調会長は「直近の国政選挙の民意を背にしている参議院をまったく無視し、経済対策の早期実施とは口先だけで関連法案の審議を棚上げし、さらには公党に対しいわれのない誹謗中傷をする自民党は政策よりも政局、国民生活よりも自らの利益しか考えていないと言わざるを得ない」と断じ、猛省を促した。

 そのうえで、第2次補正予算の審議を通じて、「定額給付金」が理念なきバラマキであることが鮮明となり、参議院において2次補正予算から「定額給付金」を削除する修正が行われたことを改めて指摘し、参議院は直近の民意を背にしており、その判断は重いと分析。世論調査の結果からも国民の7〜8割が定額給付金は撤回し他の目的に使うべきとの回答が示されているとの認識を示したうえで「与党が多数を占める衆議院での議決が優先され、定額給付金を含む形で2次補正予算は成立してしまった今、定額給付金を止めるためには、本法律案を成立させるしかない」として、野党対案への賛同を求めた。

 続いて質疑に立った水戸将史議員はまず、政府内で検討が開始されたとされる、政府紙幣や利子が付かない代わりに相続税がかからない「無利子非課税国債」の発行について取り上げ、「私の知る限り、この構想が自民党を中心に過去3回浮上した」と述べるとともに、浮上したときに、「全体の数%の相続税対象者に対して、恩恵に預かるということなので不公平感がある。金持ち優遇ではないか。また、相続税収が無利息・無利子になるので、金利負担よりも落ち込むということで反対されたという経過がある」と指摘し、この構想に対する現在の見解を財務省主計局に質した。主計局長は相続税という見地からすれば水戸議員が問題視したことが指摘されてきたのは事実だとしたうえで、ただ今回は、大きな政策目的のなかでの問題で、単に税制面だけで論ずるものではないとした。

 水戸議員は現段階で全否定するものではないとしながらも、3回目のこの構想の浮上時は森内閣当時、支持率挽回を図る政権の景気対策の目玉として出てきたものだと改めて説明したうえで、当時の宮沢大蔵大臣は「絶対に手を出してはならない」と森首相に釘を刺したとの報道があると説明。日本国債の信用性や長期金利について言及していたことを明らかにし、問題提起した。

 水戸議員は続いて、定額給付金について取り上げ、この案が出された昨年10月以降、当初は「生活支援」という形で進んできたが、年を越して急激な経済悪化を受けて消費の喚起も呼び起こし経済効果を高めようとの意図も出たと分析。具体的に何を目的に拠出されるのか、その目的があいまいになっている点を改めて指摘した。

 水戸議員はまた、「生活支援」と「消費喚起」という政策意図の2面性をもつこの給付金制度であるが、政策支援という概念でいえば、当面は使わなくてもストックに回しておこうという心理も当然働くのではないかとの見方を示し、与謝野経済財政担当大臣に「それで構わないのか」と質した。与謝野担当相は「受け取った方がお金を使ってくださることを期待するが、それは個人の領域」と述べ、個人消費による景気回復・経済効果にはつながらないケースも多いことが浮き彫りになった。
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