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2009/02/16
【衆院予算委】逢坂議員、国の予算編成議論のあり方問う




 逢坂誠二議員は16日午後、平成21年度総予算に対する公述人の意見陳述を受けて質疑に立った。

 冒頭、自治体の現場で予算を編成してきた経験から見た、国の予算編成のおかしな点として、(1)予算の本質を議論する時間が極めて短い、(2)今年の予算はどうあるべきかという大きな方向付けの議論が少ない、(3)各省積み上げ予算の詳細が公開されていない、以上3点を指摘。「マクロの面から見てもミクロの面から見ても、日本の予算審議は問題がある。しかも予算審議時間が少ない」として、中林公述人(跡見学園女子大学マネジメント学部准教授)に見解を質した。

 中林公述人は「日本の民主主義にとって、予算審議の時間が短いのは非常に残念なことだと常々感じている」と表明。これからもっと地方の現場に、身近な問題に関して予算編成してもらう方向を考えていくべきだとした。どのような予算編成のプロセスを取るべきかの議論が必要と指摘し、長期的な審議をするようになれば、日本の財政が見えるようになり、国民にも伝わるようになると見解を語った。

 逢坂議員は、政府による経済のとらえ方にも大きな問題があるのではないかと質問。中林公述人は米国の制度を説明したうえ「予算編成をするうえで、成長見通しは基盤になるものだ。これが狂うと、どれくらいのお金を出すか、将来的にどういう国の形を予想するかにも狂いが出る。本来であれば一つだけではなくて、いくつか方向の違う経済指標も見る必要があるのではないか」と述べた。

 逢坂議員はこのほか、定額給付金の経済効果と予算を優先的に配分すべき分野、医療崩壊を招いた原因などについて全国保険医団体連合会会長の住江公述人に質問したうえ「大胆な予算配分の転換ができない、日本の予算の議論に色々問題がある」と強調。税金のムダ遣いとして天下りとわたりの問題に国民の皆さんの批判が集まっていることに言及し、大久保公述人(株式会社リクルートワークス研究所所長)に見解を求めた。

 大久保公述人は、公務員の人事制度は大変古いもので、なぜここまで残ってきたのか不思議に思うと答え、一定の定年退職の年齢までで仕事が完了し、報酬を受ける仕組みが前提でないため、サブシステムが出来上がっていることを挙げて、採用や途中の処遇、昇進、退職など、かなり抜本的なところから全体を議論し、システムを見直す必要があるとした。逢坂議員は外国人研修生や新卒採用時期のあり方などについても意見を求めた。

 逢坂議員は最後に、元東京中央郵便局長の神岡公述人に、地域の郵便局の果たしてきた役割と民営化について質問した。
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