ニュース
ニュース
2009/02/24
【衆院予算委】逢坂議員、雇用情勢と対策を宇都宮健児参考人らに質問




 逢坂誠二議員は24日午前、衆議院予算委員会の参考人質疑で、社団法人日本自動車工業会労務委員長の川口均参考人と弁護士・反貧困ネットワーク代表・年越し派遣村名誉村長の宇都宮健児参考人に、現下の雇用情勢を踏まえて取るべき政策などについて質問した。

 逢坂議員は冒頭、宇都宮参考人の「格差問題を議論するよりも、まず貧困への対応だ」という意見陳述に同意するとして、貧困問題が出た理由を質した。宇都宮参考人は、ワーキングプアの発生と貧弱なセーフティネットをその要因として挙げた。

 販売台数の悪化など、自動車業界の危機的状況を述べた川口参考人に対しては、日本の大企業の内部留保金と株主配当が増加する一方、従業員賃金が抑制されてきたことを指摘。「ステークホルダー3者が本当に均等に利益を共有できていたのか」と疑問を呈した。

 川口参考人は、急速な環境変化と非正規契約の継続が止まったことに関して、寮・社宅の宿泊延長や従業員食堂での食事の継続、再就職あっせんのための相談窓口開設など、できる限り対応し、最大限の努力を払ってきたと説明した。

 逢坂議員はこれに対し、派遣労働の場合には、賃金を高くする代わりに雇用の状況に若干不安定度が増すなど、リスクをヘッジする何らかの仕組みが必要ではないかと指摘した。このほか川口参考人には、2兆円の定額給付金の是非や年功序列型の終身雇用制度について見解を求めた。

 逢坂議員はまた、宇都宮参考人に対し、現在の政府の雇用対策などは十分か、セーフティネットを張りすぎるとモラルハザードにつながるという意見をどう思うかを質した。宇都宮参考人は、シェルター開設と総合相談窓口の設置を要望しているが対応されていないことを挙げ、十分なフォローがなされていないという認識を表明。モラルハザードの問題については、現場の派遣切りにあった労働者と接していない人が言っているのではないかと答えた。

 宇都宮参考人はまた「セーフティネットの組み方としては、利用しやすくて、自立、離脱しやすい制度にすべき」という見解を示し、「早く働けるうちにセーフティネットで助け、新しい就職先を見つけることが、国家経済、コストの面からも合理的だ」と強調した。
記事を印刷する