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2009/02/27
【衆院予算委】世界的危機への危機感が希薄な予算 逢坂議員が指摘




 09年度予算案の締めくくり質疑が行われた衆議院予算委員会で27日午前、民主党・無所属クラブの逢坂誠二議員が質問に立ち、「100年に一度の世界的危機」「自治」「政治家の資質」「議会制民主主義」「小泉改革評価」等の観点から同委員会の審議を考えたいとして、麻生首相らの見解を質した。

 冒頭、逢坂議員は「ミクロ的にみてもマクロ的にみても改善することがある」として、予算委員会の審議の在り方を改めて見直すべきとの見方を示すとともに、同日の質疑が委員長の職権で強引に立てられたことに遺憾の意を表明した。

 そのうえで逢坂議員は「主要国の実質GDPで突出して悪いのは日本」「環境や医療や福祉や教育の分野の大胆な転換はできなかった」「100年安心プランと言われていたが年金財政の検証がなされていない」「農業も水産も林業もずたずた。それへの対策がとられていない」――等の観点を列挙して、100年に一度の世界的危機へのまさしく危機感が希薄であり、果たしてこの予算で十分か疑問だとした。

 しかし首相は、「88兆円という過去にない予算を組んだ。それなりに精一杯の努力をした」と強弁。逢坂議員は本当の意味で危機認識が希薄であると重ねて断じた。
 
 逢坂議員はまた、こうした経済状況下にあっては最も優先すべき予算委員会の質疑を後回しにして、メドベージェフ・ロシア大統領やオバマ米国大統領との会談のために日本を留守にしたのは疑問だとした。内政で失ってしまった信頼を外交で点数かせぎしたいという思いでの行動と見受けられると断じるとともに、あえて行くだけの価値があったかと批判した。同時に逢坂議員は、「予算に組まれている歳入欠陥が起こる可能性が高いのではないか」との危機感を示した。

 さらに逢坂議員は定額給付金の問題を取り上げ、評価に値しないこの給付金のために、地方自治体がやらなければならないことを後回しして給付作業に忙殺されることは自治の理念に反するものだと指摘。「期待されている部分に早く応えたい」と強弁する首相に逢坂議員は、自らは給付金を受け取るのかを改めて質したが、「私のことに関しては自分なりに判断する」として、この期に及んでも答弁を避けた。

 逢坂議員は「郵政民営化には反対だった」と述べ、その後「(総務大臣として)2年間勉強して賛成することにした」とした首相の発言のブレ、中川前財務・金融担当大臣辞任時の対応が後手後手に回った首相のトップリーダーとしての判断の遅さを問題視した。また、参院本会議で第2次補正予算案の野党修正案が可決し、両院協議会の議論が長引いた点にも言及し、国会審議をより意義のあるものとし、活発化するためにも両院協議会の審議の在り方を検討すべき段階にきており、衆議院の3分の2を使って強引に再議決を繰り返す前に協議会の議論の在り方を検討すべきだったと強調。「議会制民主主義の観点から言っても誠に残念」と語った。
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