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2009/02/27
【衆院予算委】緊急雇用対策、新エネルギー開発促進を提案 菅代表代行
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菅直人代表代行は、27日午前の衆院予算委員会での締めくくり質疑で、3月末までに実施すべき緊急雇用対策、バイオマス新エネルギー開発による雇用創出、下野による政権交代を訴えた。
冒頭、菅代行は、同委員会委員長の職権による締めくくり総括質疑、予算案の採決には反対であり、まだまだ議論すべきことがあることを明言した。
そのうえで、締めくくり質疑であり、この委員会に課せられた議題を整理し、「一つは雇用、経済・景気対策であり、それを超えて日本の将来をどうするかが国民の期待する課題だった」として、雇用情勢に対する危機感が政府には足りないと批判。3月末には40万人近い人が雇い止めとなり、雇用を失うのではないかとして、対策は十分かと質した。
また、都道府県と政令市に最低一つは、職、住居を失った人がそこに行けば何とかなる総合相談窓口、シェルターを設けるべきだと提案した。舛添厚生労働大臣は、さまざま準備をしているとしたが、設置に向けては明言は避けた。
菅代行はさらに、求職者支援法案を他の野党とも共同で近く提出する予定であるとして、その内容に関して、スキルアップができること、農業など他産業への移行もできるように職業訓練を実施する、その間の生活保障も行うとして、「単なるセーフティネットではなくトランポリン法だ」と説明した。
次に、新エネルギーとして、木質を材料とするバイオマス発電を紹介し、実用化を促進するよう求めた。(バイオマス発電は、地球温暖化対策にも有効で、地球上の1年間の植物が吸収する太陽エネルギーをこの技術を用いて利用可能なエネルギーに転換できれば年間で消費するエネルギーの8倍も生産することができ、食用ではないものを材料とする点も評価されている。しかも日本のオリジナル技術であり、すでに農林水産省が実験用プラント「農林バイオマス3号機」を造っている)。
二階経済産業大臣、斉藤環境大臣、石破農林水産大臣は、3省で相談し進めていくと答えた。
最後に、政権の行き詰まり指摘し、国民の選択によって民主党、自民党という二大政党制になっている以上、自民党内の首のスゲ換えで対処すべきではないとして、下野して、野党に政権を譲るべきだと主張した。しかし、麻生首相は応じなかった。
質疑の後、討論が行われ、民主党からは細野豪志議員が反対討論に立った。細野議員は、このなかで、「麻生政権は、自民党に対しても、霞が関に対しても完全に統治能力を失っている」として、欠陥予算のごり押しの報いは総選挙で受けることになる、民主党は選挙で勝利し、日本経済に的確に対応する予算を編成すると主張した。
採決の結果、予算案は賛成多数で可決された。
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