ニュース
ニュース
2009/03/03
目的不明瞭な定額給付金を廃止し、2兆円の使い道を再検討すべき 平田参院幹事長




 平田健二参院幹事長は3日午後、国会内で定例の記者会見を行い、世界同時株安などの現在の経済不況や定額給付金を含む08年度第2次補正予算関連法案の今後の対応について記者団に語った。

 はじめに平田参院幹事長は、米国株価の大幅下落など、世界同時株安が進んでいる深刻な世界経済の不況について、「日本を代表する企業も大変な赤字を抱えて、リストラを始めている」と現状を指摘したうえで、「過去の不況時には一時帰休制度を導入し、首にはせず、従業員を大切にするという思いがあったが、今は何かあるとすぐにリストラをする」と分析。「企業の力がなくなってしまったのかと思う」と所感を述べた。

 そのうえで平田参院幹事長は、「雇用確保のための資金として、雇用調整給付金などを補てんすることで、従業員は首を切られることなく安心することができる。そのために厚労省は思い切った改革をしてもらいたい」と持論を語った。

 次に平田参院幹事長は、昨日2日、麻生首相が定額給付金を受け取ると発言したことについて、「麻生首相の発言もコロコロ変わるが、定額給付金について当初、生活支援と言っていたが、今は消費拡大を目的とするとなっている。そうであれば、2兆円の使い道の政策も変えるべき」と、思いつき、行き当たりばったりの定額給付金制度を廃止して、消費拡大のための政策を新たに検討すべきと批判した。

 続いて、平田参院幹事長は、同日の参院財政金融委員会、明日の参院本会議で、08年度第2次補正予算関連法案の採決を行うことに言及。「参院は衆院から送付された2次補正予算関連法案の中から定額給付金を除いた野党案を可決して衆院に戻すが、国民の約7割が反対しているという民意を無視して政府・与党は3分の2の再議決を強行するであろう」と見通しを語るとともに、「与党議員の造反は期待しないが、もし良識ある与党議員がいるならば、参院の議決を尊重してもらいたい」と再議決に同意すべきではないとの考えを語った。
記事を印刷する