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2009/03/05
【参院予算委】森林整備による雇用創出のあり方を主張 田中議員
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田中康夫議員は5日午後の参議院予算委員会で、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立ち、緑の経済と社会の変革(日本版グリーン・ニューディール)、公務員制度改革について関係閣僚に見解を質した。
田中議員ははじめに、政府、地方自治体においても企業同様にマネージメントの要諦は予算と人事であるにも係らず、政治家や首長ではなく、匿名性に守られた公務員が作成、決定しているかたちとなっていると指摘、ゼロベースでの見直しが必要だと主張した。
そのうえで、政府が1月22日に発表した日本版グリーン・ニューディールに言及。「2001年に『森林ニューディール』を掲げた際には冷笑された身としては感慨深い。例え米国が言い出したからとて」と皮肉を浴びせたうえで、「グリーンというなら森林が要」だと述べ、世界第2位、国土の約7割を占める森林の重要性を強調した。
日本の森林の45%は間伐しないと幹が大きくならない針葉樹のため、1列切って2列残すという主伐を45〜60年の間に行う必要があり、今まさにまったなしの状況であると説明。林野庁の予算において森林整備に用いているのはわずか8%に過ぎず、あとは公共事業に使われていると指摘。針葉樹の間伐は主伐以外にも20〜45年の間に定期的な間伐、植えてから20年までにも下草刈りが必要な永続的ビジネスであるとして、荒廃した各地域における雇用創出に繋がると主張した。
そのうえで、森林整備には予算も増加して、携わる人々の意欲とシステムが重要だと指摘。長野県知事時代の経験を例に、本来大きな雇用を創出できるにも係らず叶わないその大きな原因は既得権益を守ろうとする森林組合にあると批判し、森林整備をビジネスにするためには弱肉強食、不透明な入札制度を変えなければいけないと訴えた。
これに関連し、日本の木材には市場競争力があるとして、その活用の一例として、間伐材を利用した信州型「木製ガードレール」を紹介。通常の鉄のガードレールでは設置費用のみしか地元に還元されないが、同じ強さの木製ガードレールを導入すれば、間伐から設置までを各地域で請け負うことが可能となり、地域雇用が5倍になるとその効果を述べた。
次に田中議員は、公務員制度改革に関して都道府県、市町村の退職手当債を問題視し、平成20年度において約6300億円、平成11〜20年の発行額合計は約3兆617億円だとして、退職金を満額払うために設けたこの退職手当債の見直しするよう要求。財政規律の面では問題あるが退職手当債そのものについては容認の姿勢を示した。
また、地方公務員の「わたり」、給与の調整額にも言及し、総務省において自治行政局において網羅的な調査を早急に行うよう要請。鳩山総務大臣は地方自治のやり方があるとしたうえで、調査は実施すると明言した。田中議員は、「地方分権は丸投げで何でもしていいわけではない」として、政治のリーダーシップを発揮し、規制を強化するところと緩和するところを示す必要があると主張。グリーン・ニューディール、公務員制度改革ともに「国が地域から理解される透明性の高い給与体系の指針を示し、調査を行い実行していくことが21世紀の雇用、活力に繋がる」と締めくくった。
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