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2009/03/09
「世論調査の数字を謙虚に受けとめ、党勢を立て直していく」山形で鳩山幹事長


 鳩山由紀夫幹事長は9日午前、山形市内で保育園・幼稚園の視察を終え、記者団の質問に答えた。

 各社世論調査がほぼ出揃い、小沢代表の辞任を求める声が比較的高く、党首力という点でも数字がやや下がりつつある点をどう見るかとの問いには、「民主党に対して政権交代を期待してくださっている方々に、小沢代表の秘書の逮捕というのは非常に大変ショックだったと思う」と述べ、「その意味で、私どもはこの数字に謙虚に耳を傾けていかなければならないと思っている」と語った。

 同時に、「小沢代表が今回の事件に関して身の潔白を記者会見などで表明しているところであり、それを信じていきたい。ただ、国民のみなさんには、説明責任がまだ尽くされていないというお気持ちが強い、だから辞任を求める声が強まってきているのだと思う」と語り、自分たちの身の潔白を証明するのはなかなか困難であるだけに国民の皆さんは納得できないという気持ちが広がっている結果だろうとの見方も示した。そのうえで、「何とか小沢代表を中心に、私どもも懸命の努力をしながら、今回の事件に関して容疑が晴れる状況を早くつくり上げていきたい」と表明するとともに、「国民の皆さんにご心配をおかけしてしまっていることに対しては心からお詫びを申し上げなければならないと思っている」と述べた。

 また、そうした数字がある一方で、民主党の政党支持率はあまり変わらない、微減であることについては、「民主党をせっかくここまで応援してきたのだから政権交代に向けて頑張れと、まだ辛抱強くご支援してくださっている方が多くいらっしゃるということだと思う。ありがたいなと思っている」と語った。あわせて、「私たち民主党はやはり、小沢代表のもとで今日まで政権交代に向けて戦ってきただけに、これからも小沢代表を軸にしっかりと党勢を立て直していかなければならないと考えている」と強調した。

 2日間地方をまわっての印象については「宇都宮にしても郡山にしても山形にしても、候補者、県連の努力もあるが、集まりの規模の大きさにも大変驚いている。すなわち、ある意味で今まで以上に、こうした困難に負けずに頑張れよと、一人一人の候補者に対して、応援の、激励の言葉が逆に強まっているような雰囲気さえした」と振り返った。

 漆間官房副長官が同日の参議院予算委員会において「事前にも事後にも報告は受けていない」と否定した答弁については、「事前にも事後にもという話だが、『あった』とはとても言えない話」と指摘。「したがって、その言葉をどこまで信頼できるかということであり、ではなぜ、確信的に自民党には捜査が及ばないというお話をされたのか、大変不可解である」と批判した。政権の中枢と警察権力、あるいは検察との間でやりとりがあった事例が過去に現実としてあるだけに、今回、それがまったくなかったと本当に言い切れるのかはまだまだ不明であり、当然『なかった』と発言するであろうが、その発言ですむ問題かどうかは慎重に検討しなければいけないとの見方を示した。

 漆間官房副長官に辞任を求める可能性については「必要に応じて出てくる可能性はある」とし、もともと元警察庁長官が、なぜ官房副長官に起用されたかというところも考えていけば、いわゆる政権の中枢と、警察あるいは検察、その間のやりとりがあったと考えることが自然ではないかとの見解を示し、「この事実を十分に確かめずに行うこともいかがかと思うので、慎重に検討する必要があると思う」と語った。

 漆間官房副長官が懇談の場で話したオフレコの内容が誤解されて伝わったと本人も発言し、参院予算委員会で麻生首相も同様の認識を示した点については「オフレコというものはしばしば表に出るもので、オフレコこそ本音という部分もある」と分析。麻生首相の答弁に関しては「いろいろなメディアが(副長官が)話されたことを伝えているわけだから、そうなるとメディアの報道が正確なのか、あるいはそれは実際にはなかった発言なのかということになり、メディアの皆さんこそ真実がおわかりなのではないか」と指摘した。そのうえで、「それをなかったとか、間違った報道とかいうような言い方で逃げるということは、麻生総理としての(これまでの)歩みから見ると、また逃げられたなと、逃げの発言、ぶれた発言だと思わざるを得ない」と断じた。
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