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2009/03/09
【参院予算委】捕虜問題と戦後処理で首相見解質す 藤田議員




 藤田幸久議員は9日午後の参議院予算委員会で、捕虜問題と戦後処理について麻生首相の見解を質した。

 冒頭、藤田議員は、捕虜問題を大きく進展させるのは、麻生首相をおいて他にいないという理解をしていると表明、解決に向けた努力を求めた。

 続いて、2006年11月に、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙上で旧麻生鉱業の捕虜使役に関する記事が出た際に、反論を在ニューヨーク日本総領事館ホームページに掲載するよう当時の麻生外務大臣が公電で指示したことに言及、証拠に基づくものであるかを質した。

 首相は、報道記事への対応という限られた時間の枠内ですばやく必要な調査を行ったと説明し、「当時の対応としては、必ずしも政府全体としては十分ではなかったと認めざるを得なかったのではないかと思う」とした。

 藤田議員は、麻生鉱業に捕虜がいたことを裏付ける資料が厚生労働省に保管されていた事実が判明したことを取り上げ、久留米工業大学講師のアンダーウッド氏らから首相の事務所宛に、捕虜使役に関して照会が行われていたことにも触れ、認識を質した。

 麻生首相は「確実な根拠に基づき確認する必要がある問題と考えているが、昨年の厚労省の調査により、旧麻生鉱業において連合軍捕虜を労役させていた事実が、旧政府自身の資料で明らかになったと承知している」と答弁。藤田議員は、真正さを確認する方法は多々あったのであり、確認をする意思がなかったのではないかと指摘した。

 藤田議員は「世界の規範にのっとったかたちで、不正義を補う対応をしてほしい」と表明。「今年は国連の和解の年だ。思い切った対応をお願いしたい」として、日本に豪州人元捕虜の3名をお呼びし、和解の交流をと提案した。

 首相は、日本として関係諸国との信頼関係を強化するため誠実に対応することが基本であると述べ、外務省の事業の一環としての検討は可能だが、麻生鉱業にいたからといって恣意的には出来ないとして理解を求めた。
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