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2009/03/10
「西松献金」の経緯を説明して政権交代への決意を確認 小沢代表が常任幹事会で




 小沢一郎代表は10日午前、党本部で開いた常任幹事会で、自身の政治資金管理団体「陸山会」への西松建設関連の政治献金問題について説明、「仲間の皆さん、民主党を支援して下さっている皆さん、また全ての国民の皆さんに多大のご迷惑をおかけしたことは本当に申し訳なく、この場でお詫び申し上げたい」と陳謝した上で、「私の政治献金は全て収支を公表、公開しており、何一つ隠し立てすることはない」と言明し、「国民のサイドに立った政治を実現するために政権交代を実現する、その大目標に向かって邁進していく」として、引き続き代表として衆議院総選挙の勝利に全力を挙げる考えを表明して、満場一致で了承された。

 その中で小沢代表は、陸山会担当の大久保秘書が3日朝、「東京地検からちょっと話を聞きたいという電話があったので、昼過ぎに会ってくる」と連絡があったきり、全く連絡がなく、同日夕、テレビ報道で秘書逮捕を知ったと説明、事情聴取もない「即刻逮捕」だったことを明らかにした。

 また、西松関連の政治団体からの寄付に関する陸山会の収支報告書の記載が「虚偽記載」とされ、秘書逮捕の理由とされていることについて、「(西松関連の)政治団体からの献金だというので、政治資金規正法でその受け取りを認められている政治資金管理団体で受け取った。ごくごく事務的な処理だ。(西松などのゼネコンに限らず)いろいろな分野で政治団体をつくり、献金をすることは、通常よく行われている。その献金の原資について、どこから持ってきたかと聞く人はいない。あとで、(西松関連の政治団体からの寄付の)原資が全て企業(西松建設本体)からということで、『虚偽記載』とされたが、私どもとしては、政治団体からの寄付だから政治団体で事務処理したというだけのことだ」と述べた。さらに、「この事実関係の説明と主張を今後も続けていきたい」と理解を求めた。

 その上で、小沢代表は今後の政治活動について、「第一に、官僚主導の政治から国民主導の政治に変え、『国民の生活が第一。』を実現する。もう一つは、日本に早く民主主義を定着させ、経済危機を克服できる体制を確立する。そのためには、政権交代を実現するしかない。私の政治生命をかけた大目標はその一点だ」と強調、「その大目標を達成するためにはどうしたらいいか。それが私の思考の全ての基準であり、私の行動の原点だ。引き続き、それを最大の基準として考え、行動する。そのことを是非、ご理解いただきたい」と強い決意を明らかにした。

 それに関連し、代表は今回の事件の背景として、「たぶん、官僚主導から国民主導への転換を嫌っている人たちがいる。時代の趨勢を感じている官僚もいるが、その転換が官僚機構そのものの危機であると捉えている人たちが大勢いるのではないか。私たちや民主党が官僚機構の敵だと捉えられているのは事実ではないか」と述べ、官僚機構による妨害や弾圧をはねのけて、新しい政治を実現する考えを示した。

 それを受け、鳩山由紀夫幹事長は「こういう状況だからこそ、国民主導の政治、真の民主主義、そのための政権交代を実現するために、党内が一致結束していかなければならない。この状況を乗り越えれば、必ず新しい局面が開けてくる」と、小沢代表の下で結束していくことを確認した。
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