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2009/03/16
【参院予算委】福山議員、漆間官房副長官発言等を追及




 民主党・新緑風会・国民新・日本の福山哲郎議員(参議院政審会長)は16日午後、天下りや郵政民営化に関する集中審議が行われた参議院予算委員会で質問に立ち、インターネットを利用した選挙運動実施への取り組みや、天下り・あっせんの打破に向けての政策のあり方等に関して、麻生首相はじめ関係大臣を質した。

 冒頭、福山議員はインターネットを利用した選挙運動の問題を取り上げ、2005年の郵政選挙のときに与野党で強烈な鞘当があったと振り返った。そのうえで、「あれから4年、いまだに選挙中のホームページやブログの更新、あるいはマニフェストのダウンロードすらできないのはあまりにも時代遅れではないか。国民のニーズに反している」と問題提起。インターネット選挙の実施を可能にする法案を民主党はすでに衆議院に提出し、継続審議となっている実態を明かしたうえで、政治の責任として可能な部分からでもインターネット選挙を行うべきだと指摘し、鳩山総務大臣、麻生首相に認識を質した。

 鳩山総務大臣は、「総務大臣として本格的に検討したことはない」としつつも、与野党で話し合って何とか道を切り拓いてほしいとの前向きな考えを表明。同時に誹謗中傷や成りすましといった選挙妨害に繋がる点について十分な検討が必要との立場を示した。それを受けて福山議員はすべての解禁を目指すものではないとの認識を改めて示し、届け出政党だけなど、可能なところを限定的に進めていくべきと指摘。「次の選挙まで最低限でも間に合わせるというのはいかがか」との重ねての問いに首相も総務大臣と同様の認識を示した。

 続いて福山議員は、東京地検特捜部による捜査に関して「自民党に波及しない」などと語った漆間官房副長官のオフレコ発言問題も取り上げた。このオフレコ発言に関して漆間官房副長官は同委員会において「記憶にない」として否定した。福山議員はその否定発言よりもむしろ、「認識の立証性はむずかしい」「金額の多寡によって違法性の認識を立証する大きな要因になる」「検察がこの時期に秘書を逮捕したい以上、本人が否認しても起訴に持ち込めるだけの証拠をもっているであろう」との3点を提示したことを問題視した。

 福山議員は第三番目の発言について、小沢代表の公設第一秘書の逮捕を連想されるものだとして、一定の事件への過剰な介入であり、聞きようによれば、「本人が否定しても起訴には持ち込む」との意味に取られても仕方がないと指摘し、「一般論だとは思えない。この言葉すら大変問題がある」と断じた。しかし、漆間官房副長官はあくまでも「何の情報もなしに推測での発言」と強弁した。

 福山議員はまた、国家公務員制度改革関連法案に関しても漆間官房副長官の影響力を危惧する動きについても取り上げ、国家公務員の幹部人事を一元化するため、政府が設置を予定する「内閣人事・行政管理局」の組織案で、当初は官房副長官級を想定していた局長職が、政務官級に格下げされた問題に言及した。

 強力な局長の誕生を懸念する官僚トップである漆間官房副長官が格下げに動き、13日の自民党行政改革推進本部に新たな組織案が提示された動きを問題視した。福山議員は「官僚の代弁者として足を引っ張ったとする報道があるが、局長人事のポストについて指示・介入したことはあるか」と質問。漆間官房副長官は「法案を作成する過程において、こういう考え方ができるのではないかと申し上げるが、これは法案が確定していないので、それを踏まえて随時変わっていく」などと述べた。福山議員は「申し上げたことがあった」ということ自体が問題として、官僚の事務方トップとしての影響力、法案作成についての影響力を自覚すべきだと強調した。

 福山議員はまた、天下りの実態についても追及し、官民人材交流センターの設置では省庁から関連法人への天下りはなくならないと改めて指摘し、実効性ある制度の必要性を問題提起した。
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