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2009/03/18
【参院本会議】尾立議員、財源特例法案及び所得税法等改正案について質問




 参議院本会議で18日午前、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して尾立源幸議員が質問に立ち、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入の特例に関する法律案」「所得税法等の一部を改正する法律案」に関して質問を行った。

 尾立議員は冒頭、16日の参議院予算委員会で小沢一郎代表の公設第一秘書の逮捕について「明らかに違法だったがゆえに逮捕ということになったんだと思っている」とした首相の問題発言を取り上げた。この発言は世界人権宣言や国際人権規約で保障された「推定無罪の原則」に反すると尾立議員は指摘し、麻生首相に発言の撤回を要請。同時に、審議中の個別の案件について行政府の長たる内閣総理大臣が「明らかに違法」と断定することは捜査機関や司法に「有罪にしろ」と命じているものだと断じ、その姿勢を問題視した。

 首相は「その後逮捕された事実は間違いない旨言い直した」などとし、「推定無罪の原則は言うまでもなく、捜査中の個別事案を判断したものではない」と強弁した。

 尾立議員はまた、平成21年度の税収について政府が、平成20年度当初予算と比べ7兆4510億円減少の46兆1030億円を見込んでいる点についても問題視。この数字は平成20年度決算で見込まれている税収額とほぼ同じで、21年度の経済成長率を民間エコノミストでマイナス5%、日銀でもマイナス2%と予測するなかにあっては税収減は明らかで、「このような甘い見通しが通用するはずはない」と批判し、粉飾決算ならぬ粉飾予算だと指摘。甘い見通しに従って出される対応は後手後手に回らざるを得ないとし、第一次補正予算、第2次補正予算、21年度予算を「3段ロケット」にたとえ、さらに追加経済対策の検討を指示する麻生首相に、「いったい何段ロケットまであるのか」と追及した。

 首相は「利用可能なデータを集め、最善の見積りにつとめた結果、46兆1000億円と見込んだもの。粉飾予算という指摘はあたらない」とあくまでも否定した。

 尾立議員は同時に、平成21年度の本予算が参議院で審議中であるのに、補正予算を前提とした追加的経済対策を指示し、4月2日のG20後には補正予算案の編成を指示する意向を固めたとする首相の姿勢も問題視し、「参議院軽視も甚だしい」と断じた。

 また、地方税収入、地方交付税等の算定においても甘い見通しに基づいているとすれば、地方自治体も偽りの税制見通しの被害を受けるのではないかとの危惧を提示。三位一体改革によって平成19年から所得税から住民税へ約3兆円の税源移譲がなされたが、所得税、住民税は景気動向によって増減し、また大量退職時代を迎えて税収減が予想されるため、安定財源にはなりにくいと指摘。「改革の失敗ではないか」と語った。そのうえで尾立議員は、地方自治体にとって大きな負担と不安定要因になっている直轄工事負担金は早急に廃止すべきとの見解を示し、民主党が政権を担当する際は全廃すると宣言した。

 さらに、平成21年度予算において、揮発油税等の歳入を道路整備に使うことを義務付けている制度を廃止し、道路特定財源の一般財源化を行ったと強弁する政府に対し、そうであるならば「前提税率は廃止するのが筋」と尾立議員は指摘。あわせて、揮発油税等の税収は依然として道路に限定して使われ、地方道路整備臨時交付金が地域活力基盤想像交付金と名前を変えただけで、いまだに国土交通省に支配されている実態を明らかにした。

 こうした指摘に麻生首相、与謝野財務大臣はともに、道路特定財源の一般財源化の認識について、「揮発油税などの歳入を道路整備に使うという義務付けを辞めるということ」などと述べ、歳出まで視野に入れたものではないとの認識を強弁した。

 尾立議員はさらに、民主党は政権獲得後、税金のムダ遣いを徹底的に改め、一般会計、特別会計あわせて205兆円の予算を層組み返し、埋蔵金を活用しつつ、年金制度改革、農業者戸別所得補償、高速道路無料化、子ども手当、医療改革、暫定税率廃止・減税など格差是正や景気回復、そして将来の日本をつくるために必要な投資を3段階に分けて実行していくとした。
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