2009/03/19
雇用保険法改正案の衆議院通過によせて(コメント)
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民主党政策調査会長 直嶋正行
本日、政府提出の雇用保険法改正案が、民主党などによる修正を加えた上で、衆議院で可決された。
主な内容は、政府案の施行期日を一日前倒しし、3月31日からとする修正である。政府案では、失業した日が4月1日以後でなければ新制度の対象とならず、この年度末に失業する人は対象外となっていた。民主党はじめ野党は昨年12月9日以後の失業者を新制度の対象とすべきだと主張していた。修正により、年度末に雇い止めとなる非正規労働者について、必要な保険加入期間が現行1年から6ヵ月に短縮されることなどについて一定の評価をしたい。
民主党はじめ野党が提起した「求職者支援法案」については、政府案の附帯決議にその方向性のみが盛り込まれた。今後、私どもの趣旨に沿った制度が実施されるよう、引き続き法案提出者として求めていく。
派遣労働者や短時間労働者など非正規労働者で、31日以上の雇用期間がある全ての労働者を原則、雇用保険の一般被保険者にするという私どもの主張は取り入れられず、「1年以上の雇用見込み」の要件を「6ヵ月以上の雇用見込み」とする中途半端な改正となった。6ヵ月未満の雇用見込みの有期契約労働者は今までどおり雇用保険に加入することなく、通算すれば失業等給付を受け取れるはずの人も、受給できないことに変わりはない。雇用のセーフティネットの整備なくして、非正規労働者をめぐる問題の根本的な解決はありえず、必要な雇用見込み月数の短縮を引き続き要求し、実現を図っていく。
雇用保険料率を1年間のみ0.4%引き下げる案については、経済状況の急激な悪化を踏まえ、引き下げる合理的な理由がみあたらないことから修正を要求したが、期待はずれに終わった。国民が望むのは雇用のセーフティネットの充実であり、麻生政権の機動性の欠如がこの対応に象徴されている。総理の思惑どおり、料率引き下げ分がどの程度賃上げにまわるのか、じっくり拝見させていただく。
今後、参議院においては、修正点の実効性をさらに確かなものとするとともに、マルチジョブホルダーへの適用問題などについても議論をすすめ、雇用のセーフティネットの整備のため、全力をあげて取り組んでいく。
以上
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