ニュース 2009/03/27 【参院本会議】森議員、「欠陥予算は容認できない」と平成２１年度予算３案に反対討論 　２７日午後に開かれた参院本会議で、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して森ゆうこ議員は、「平成２１年度一般会計予算案」「平成２１年度特別会計予算案」「平成２１年度政府関係機関予算案」に対する反対討論を行った。 　はじめに平成２１年度の実質成長率がゼロ％という非現実的な前提で編成された政府提出の予算案に対して反対討論を始めた森議員は、衆院予算委員会で麻生首相が、「我々の経済状況は他国に比べたら傷は浅い」と大見得を切ったことに触れ、「麻生首相の景気の認識のあまりの甘さにあ然とした」と１００年に一度の危機という状況において、一国のリーダーが的確な現状認識もできず、先見の明もないことは国民にとって最大の不幸と切り捨てた。 　そして森議員はこれまで政府が行ってきた政策についても、「米国のカジノ資本主義のお先棒を担ぎ、構造改革と称して格差と貧困の拡大を助長することを推進してきた」と説明。 　そのうえで、森議員は同案に反対する最大の理由として、「構造改革の名のもとにズタズタにされた社会保障のセーフティーネットの再構築が全く不十分である」とし、雇用保険料改正などの雇用対策や問題を先送りする年金制度、暮らしの実態を無視した社会保障関係費の削減を挙げ、同案では何ら問題点に対する成果は上げられないと断じた。 　さらに森議員は反対の第二の理由として、「極めて深刻な景気後退への対応が不十分」という点を挙げ、政府・与党が国民に負担を押し付ける政策ばかりを推し進めてきた結果、個人消費を中心とする内需を回復することはできず、日本のＧＤＰ成長率の落ち込みが先進国で最も大きいのは当然と批判した。 　その他にも森議員は道路特定財源の一般財源化の方針が完全に骨抜きになってしまったことや、歳出の無駄を省くと言いながら何も説明責任が果たされないことが財政規律及び財政民主主義の形骸化を招く予算になっていることを指摘。そして、このような欠陥予算を国会の責任において断じて容認することはできないと主張した。 　また森議員は麻生内閣に対して、国際会議の場で前代未聞の大失態を演じた中川・前財務大臣や漆間官房副長官の特定の捜査事件に言及する不祥事、市場外取引で巨額の株式売却を行い更迭された平田財務副大臣の辞任など散々たる状況を述べたうえで、「この国の舵取りを麻生内閣に委ねることはできない」と厳しい口調で即刻退陣を求めた。 　最後に森議員は小沢代表秘書の起訴に関して、「今回のことを奇貨として国民が納得できるような政治資金規正法の改正に取り組まなければならない」との見解を示すと同時に、今回の検察の強引な手法に対して、「同法における検察の解釈次第では摘発し得る範囲は無限に広がり、検察が政治に対して圧倒的に有利に立つという他ならない」と憂慮した。 　それらを踏まえ森議員は、「我々は今、最大の試練に直面しているが、その試練を乗り越え、人々に希望を与えるために、政権交代によって国民のための真の議会制民主主義を実現する」と訴え、小沢代表を支えて最後まで戦うことを誓った。 　なお反対討論の後、記名投票での採決が行われ、同３案は否決された。