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2009/03/31
麻生内閣の追加経済対策 効果は期待できない 鳩山幹事長


 鳩山由紀夫幹事長は31日夜、麻生首相が赤字国債の発行も視野に入れた追加の経済対策を発表したのを受け、党本部で記者団に見解を語った。

 「中身がまるで伝わってきていないので何とも言いようがないが」と前置きしたうえで、3段ロケットと称して麻生内閣が打ち出した経済対策が全然効果がないことを自ら暴露したということではないかと分析。昨年度予算の第一次補正、第二次補正、そして2009年度予算を3段ロケットと銘打ってきた麻生内閣が、効果がなかったからこそ打ち出された4段目であるとの認識を示した。

 鳩山幹事長はまた、08年度末の日経平均株価の終値が02年度末以来6年ぶりの安値となったことにもふれ、「まさに国民の皆さんが『麻生さんがやっている経済対策では効果はありませんよ』と冷静に判断してしまったということではないか」と指摘。「従って、4回目となる追加経済対策は中身がまるで見えない、リーダーシップが全然発揮されていない、ただ『やろう』と指示を出してロンドンに行くようだが、このような政権では国民のみなさんがかわいそうだなという思いを強く感じた」と、麻生首相を強く批判した。

 首相がその実施に向けて補正予算の成立に意欲を示す一方で、野党の対応次第で解散の時期を見極めるとしている点をどう見るか問われたのに対しては、「私どもはかつての野党のように審議を引き延ばせばいいというようには思っていない。特に経済がこういう厳しい状況のなかでは大いに審議をし、当然審議が尽されれば、別に引き延ばしといった戦術ではなく、審議が終了すれば、当然のことながら採決すればいい」との見解を示した。

 鳩山幹事長はまた、「解散をむしろいつでもしていただきたいと思っている」と改めて強調するとともに、国民の審判を仰がないままに3人の首相が続いたために政治不信は続いているとの認識を提示。「それだけに、国民の信頼を回復させるのが政権側の大変大きな責務だと思う。一日も早く解散・総選挙を本来やるべきだ」と重ねて語った。

 同時に、民主党としての経済対策をまとめており、今日明日中には取りまとめられるとの見通しを明らかにし、民主党案についても堂々と打ち出して、それを大いに審議していく考えを強調した。

 さらに、政府が景気刺激策として贈与税の大幅減税を打ち出していることについては、「贈与税の減免は贈与税を多く払うような、それなりに恵まれた方々にとってのメリットという話になる」と分析。「それよりは消費税増税はやらないとするメッセージの方が効果は大きいと思うし、医療介護など、必要なところに手当をするというメッセージの方がはるかに大事だ」と指摘し、一部の人たちだけの贈与税減免に景気刺激効果は期待できないとの認識を示した。
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