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2002/04/19
【衆院本会議】民主党提出の「患者の権利法案」を審議
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19日、衆議院本会議において、坂口厚労相による「健康保険法等改正案」など政府2法案の趣旨説明に続き、民主党の山井和則議員が「医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案」(患者の権利法案)をめぐって提案理由の説明を行った。
■3割負担の前に無駄な医療費の削減を〜山井議員
山井議員はまず、患者の理解と選択に基づく医療の実現には、医療内容の十分な説明、診療情報の積極的な開示が前提だと指摘。それに向けた法的整備として「患者の権利法案」の必要性を訴えた。
同法案では「医師等は診療について十分な説明を行うこと、患者は医療適正化委員会に相談できること」「患者等から請求があれば、患者に悪影響を及ぼす場合を除き、カルテなどの診療記録を開示しなければならず、医療費用の支払明細書の交付」「安全かつ適正な医療確保のための体制整備の規定」「患者などからの苦情の解決策」などを定めている。
山井議員は「小泉首相は3割負担にしないと医療改革は進まないとしているが、病気で苦しむ患者に痛みを押しつける前に、医療情報の開示によって無駄な医療費を削減することこそが先決だ」と指摘。優先すべきは有事法制ではなく、不況対策であり、安心してかかれる医療・福祉だとし、「国民の声を聞いてください」と小泉首相に強い口調で訴えた。
■健保法改正案からの撤退を首相に迫る〜釘宮議員
その後、健康保険法等改正案など政府2法案、ならびに山井和則議員らが提出した民主党の「患者の権利法案」に関して、民主党の釘宮磐議員が質問に立った。
釘宮議員は、3割負担にすれば抜本改革が進むとする小泉首相の理論は「変人」ならではのもので、凡人には到底理解できないと批判。医療制度抜本改革を掲げながら頓挫した5年前の経験と同じ愚行を繰り返す健康保険法等改正案からの即時撤退を決断することこそ首相の責務だとして、答弁を求めた。
小泉首相は、3割負担の導入について、公平でわかりやすい給付体系を目指すとともに、医療保険財政が厳しい状況にあるなかで、患者・加入者・医療機関といった関係者に等しく痛みを分かち合う観点から行った、などと答弁。抜本改革への道筋については語ることができなかった。
■「情報の公開」と「国民の主体的な参加」を〜水島議員
また釘宮議員は、民主党の「患者の権利法案」をめぐって、そもそも医療制度改革はどうあるべきと考えるか、どのような理由で政府対案として提出したのかと、その背景説明を提出者に求めた。同時に釘宮議員は、民主党案で示されているような医療に関する情報公開と第三者評価を行うことによって医療の質を向上させ、患者が選択できるようなシステムへの改革を進めることがまず必要ではないか、と問題提起した。
民主党案提出者として答弁に立った水島広子議員は、「政府・与党は医療の抜本的な制度改革を先送りし、患者負担増を求めたり、良心的な医療を行おうとしている医療者を追い詰めるような小手先の財政改革ばかりを行ってきた」と批判。このような政府の姿勢では医療そのものの質も上がらず、国民の医療に対する不信・不満は解消されず、さらなる負担への理解も求められない、との考えを示した。
その上で、「そもそも医療は患者を中心として、患者と医療者の共同作業で行われるべきものだ」と指摘。抜本改革のキーワードは「情報の公開」と「国民の主体的な参加」だと重ねて述べ、そうした考えに基づいて民主党案は作成されたと説明。「政府案は抜本改革のための法改正案ではなく、法案の附則に改革項目を並べただけのきわめて粗末なものだ」とし、国民が求める医療制度の抜本改革実現にむけて対案提出に至ったと説明した。
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