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2009/04/08
【参院本会議】財源の地方委譲と一般財源化で地域の活性化を 平山議員




 8日午前の参議院本会議で、「道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案」が議題となり、民主党・新緑風会・国民新・日本の平山幸司議員は、一般財源化、暫定税率、国直轄事業負担金、高速道路料金、総合交通体系について質した。

 冒頭、「北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案」が質疑に先立って採決されたことに言及、「(ミサイル発射は)国際社会の平和を脅かす極めて遺憾な暴挙であり、強く抗議する」と表明したうえ、発射前日の誤発表の問題などを含め、これまでの経緯と今後の対応について関係大臣へ答弁を求めた。

 中曽根外務大臣は、安全保障理事会が一致した強いメッセージを迅速に出せるよう関係国と緊密に連携する考えを示し、浜田防衛大臣は、4日の情報伝達の不手際による誤報について「大変申し訳なく思っている」と陳謝、今般の一連の対応を踏まえ今後ともこのような事態には的確に対応するとした。金子国土交通大臣は「5日の発射当日は『羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く』といったことはなく、政府全体として万全の体制を取ることができた」と答弁した。

 平山議員は本題に入り、一般財源化、暫定税率、国直轄事業負担金、高速道路料金、総合交通体系の問題を取り上げた。道路特定財源制度については、既得権益が生じ、制度として硬直化していると指摘。財源の地方への委譲と、何にでも自由に使えるような一般財源化で地域活性化を図るべきと主張し、「(政府が)一般財源化を遅らせ、適切な資源配分を怠ってきた結果、医療・社会保障・教育、そして格差など大きな社会問題になっている」との見解を示した。

 国直轄事業負担金と一括交付金については、「民主党政権では、『税財政』の抜本改革により、地方の自主財源を大幅に増加させる」と明言。道路特定財源を一般財源化したうえで地方の自主財源とし、道路整備の権限を大胆に地方に移すことを基本とすべきだとしたが、金子国交相、与謝野財務大臣とも、国と地方の適切な役割分担による施策の推進を主張した。

 平山議員はまた、直轄事業負担金の制度について、「地方が認識のないまま、間接費用も負担させられている」として今後の方針を質した。金子国交相は、香川の河川国道事務所の問題を挙げて「説明が現場でなされていない点をしっかり反省しないといけない。今後は地方公共団体に対し、的確に説明責任を果たすよう指導する」と述べ、知事の意見を聞き、改善案を検討するとした。鳩山総務大臣は「やっぱり人件費や庁舎の費用まで地方に負担させるのは合理性がない」として、ある程度の見直しの必要性に言及した。

 このほか、平山議員は、高速道路料金の一部引き下げと総合交通体系の確立について、根本から議論をし直し、恒久的な高速道路の「原則無料化」を提案した。金子国交相は、債務償還や維持管理に充てる代わりの財源、現在建設中の道路への対処、負担の問題を挙げて否定的な考えを示した。

 平山議員は「税の再配分に関わる国と地方のあり方、本質的に、国の統治機構のあり方を抜本的に見直すべき時期にきていることを象徴している」と指摘。「将来を見据えた新しい日本の理想像をしっかりと描き、示す」という対応が政治に求められているとして、一致団結して、あらゆる抵抗と困難に屈することなく、必ず変革を成し遂げる決意を訴えた。
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