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2009/04/09
【衆院本会議】田村議員、独禁法改正案へ質問 経済の発展に資する健全で公正な競争を




 田村謙治衆議院議員は9日午後の衆院本会議で、民主党・無所属クラブを代表して「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案」について質問に立った。

 田村議員はまず、昨年に内閣が提出した法案(審議未了、廃案)から、「不当景品類及び不当表示防止法」(景表法)の改正が外された理由について、河村官房長官に説明を求めた。

 「消費者行政の縦割りを廃して一元化するために設置するはずの消費者庁構想が、逆に縦割りを露呈している。消費者庁にごく一部の法律を移管するという制度設計自体に無理がある」として、田村議員は景表法改正を取り消す必要はなかったという見解を示した。

 田村議員は「民主党の消費者権利院法案のように、法律の移管などを伴わずに行政の外に置いた組織から、消費者の立場に立って権限を行使したほうがはるかに機能的だ」という見解を示し、不当表示に対する課徴金制度の導入について今後の見通しを質問した。

 河村官房長官は「現段階で導入を進めるよりも(消費者庁への)移管後、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際にあわせて、違反行為の抑止策強化策を検討するほうが適切であると考えた」と答えた。

 田村議員はまた、今回の改正では見送りとなった審判制度の抜本的見直しに言及。「裁判所に公正取引に関わる専門部署を創設し、人材の育成など環境を整備した上で、審判制度を廃止して司法に一本化すべき」と提案し、このようになった場合には裁判所で対応が可能かと質問した。

 森法務大臣は、立法政策の問題であり、裁判所が対応の可否について意見を述べることはないと前置きしたうえ、「仮にそうした制度とする場合には、これまで公正取引委員会が高度の専門的知見を活用して行っていた不服審査を経ずして訴えが提起されることになるため、迅速かつ適正に事件処理を行う観点から、所用の制度的な手当や人的体制の確保などについて検討する必要が生じる」と見解を述べた。

 さらに田村議員は、審査にあたっては、公正・透明な手続きを担保するため、可視化や調書の写しの提供、弁護士立会いを認めることなども積極的に検討すべきと主張。このほか課徴金の対象拡大に踏み切った理由や外国企業へ課徴金を課すことの可否などについて質問した。

 田村議員は「(今回の改正案で)優越的地位の乱用が課徴金対象となったことで、一定の抑止効果が期待できると考えるが、経済情勢の悪化などの要因も重なって、下請け企業の厳しい環境はなかなか改善しない」として、民主党の提出した「中小企業いじめ防止法案」(略称)の制定や下請法の見直しも検討すべきだと指摘した。

 河村官房長官は、下請法について、立法趣旨を踏まえ、施行状況を勘案して今後必要な対応を検討するとした。二階経済産業大臣は、経産省の取り組みを説明し、今後とも下請・中小企業の対策に万全を期すと答弁した。

 田村議員は「経済の発展に資する健全で公正な競争が行われる社会を作り出すために、これから真摯で活発な議論が進められることを望む」として質問を終えた。
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