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2009/04/10
【参院本会議】危機的状況に真に有効な手立てとなり得るのかを問う 津田議員




 津田弥太郎参議院議員は10日午前の参議院本会議で、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して「我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案」について質問に立ち、昨年の米国発の金融危機以降、危機的状況を迎えるなか、同法案が真に有効な手立てとなり得るのか否かを踏まえ、関係閣僚に見解を質した。

 津田議員は、本法案により創設される株式会社産業革新機構を時限的な組織として15年に限定している理由など、具体的な検討状況について答弁を求めた。一方で、機構に関し、業務の実績に関する評価の規定が盛り込まれたことに一定の評価を示したうえで、適正な評価を下せるよう第三者による評価委員会等を設置すべきだとした。

 二階経済産業大臣は、機構はオープンイノベーションの成功事例を先導的に創出することにより自立的な計画を促進するための時限組織だと述べるなど、その検討状況を説明。事業評価の方法については、機構の適切な運営を確保する必要があるとして、その主務大臣が年度ごとの業務の実績評価の際には指摘の趣旨を踏まえ、客観性かつ透明性のある手続きを行うよう努めると明言した。

 津田議員は、資金調達の円滑化について、事実上、一般事業会社への、国からの公的資金の注入となる今回のスキームに関して、大臣告知として示される4要件を詳細に示すよう要請。また、「なぜ民間金融機関がこれらの業務を請け負わないのか」として、新たに指定金融機関に手を挙げる民間金融機関が現れないのは制度に欠陥があるか、民間金融機関には、公共性が全く欠如していると言わざるを得ないと提起した。

 与謝野財務相は、現在は法令上、みなし指定金融機関として指定済みの銀行により危機対応業務が行われており、引き続き危機対応制度の円滑な実施に努めていくと回答。二階経産相は、官民が協調して取り組みを行うことが必要との考えを述べた。

 津田議員はまた、中小のものづくり企業は、資金繰りに関して日々悲鳴を発しているとして、我が国産業の屋台骨として、経済発展を支えてきた真面目な企業に対して、積極的な支援を行うべきだと主張。

 与謝野財務相は、政策金融として中小企業の資金繰り支援に取り組むとともに、民間金融機関が適切かつ積極的に金融仲介機能を発揮することが極めて重要だと述べ、金融庁として、6月に実施予定の集中検査において、期待される機能を十分に発揮しているかを検証していくとした。

 津田議員は、本法案の重要な目的は、雇用の維持・確保にあるとしたうえで、産業活力の再生のためには労働組合等との十分な協議を尽くすことが重要だと説き、特に、第二会社方式の活用に伴う多くの危険性に言及。

 二階経産相は、厳しい経済情勢踏まえれば雇用の安定は極めて重要だとして、労働組合等との協議により十分に話し合うことを認定の要件とするとともに、実施段階においても話し合いを努力義務に定めていると説明した。

 最後に、津田議員は1日に発表された前月の日銀短観はバブル崩壊後どころか第一次石油ショックを超える過去最悪の水準となったことを指摘、麻生首相が解散総選挙から逃げ回り、政権の座に居座り続けたことに起因すると分析。「後世、歴史は現在の危機的状況を『麻生不況』と呼ぶことになるだろう」と述べ、改めて早期の解散・総選挙を強く求め、質問を終えた。
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