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2009/04/23
【参院財金委】租税透明化法案が賛成多数で可決 川上、藤末両議員が質問




 参院財政金融委員会で、民主党提出の「租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案」(租税透明化法案)(下記関連記事参照)の審議が23日午前、午後にわたって行われ、川上義博、藤末健三両議員が質問に立った。

 法案は賛成多数で可決された。

 川上議員は、法案の意義を発議者に質すとともに、政府にも法案に対する見解を質した。

 法案発議者の水戸将史議員は、租税特別措置は補助金と同じ効果があり、一度適用されると既得権益化することが問題であり、この点を是正、税の透明化、公正・公平を図ることが法案の目的であると説明した。

 与謝野財務大臣は「なかなか困難」との認識を示した。

 また、川上議員は租税特別措置による税額減収額を質した。財務省主税局長は、「20年度ベースで7.5兆円。特別措置による増税分を差し引くと5.2兆円の減収となる」と答えた。

 川上議員は、消費税に換算して2%分にも上る減収を「弱いものに負担を押し付け、強い者を優遇する」結果だとして、さらに、自民党時代の経験から、業界と業界の応援団・部会との癒着以外のなにものでもないと指摘した。

 また、民主党の法案で納税者・企業にどれくらいの負担が生ずるのかを質した。発議者の尾立源幸議員は、実態調査のために増減税額明細書を記入、提出してもらうが、現在も税減額の別表を出してもらっており、一覧表として1枚書いてもらうだけなので負担にはならないと答えた。

 藤末議員は、税制は国の基本であるとの認識を示し、大化の改新、明治維新ともに大きな税制改革を断行したと前置きし、政権を担い税制を改革するとの決意を表明した。そのうえで政府と発議者に見解を質した。

 質問を受けて発議者の峰崎直樹議員は、長く特別措置が続いているのは、政・官・業の癒着であるとして、本則に入れて透明にしなければならないとした。

 財務相は、税制の毎年の改革に関して与党が十分な発言する現行の制度を是として、各種団体からの要望を断るのは政治的に難しいとの認識を示した。しかし、政府税調のあり方に関しては、峰崎議員の「専門家によって日本の将来の税の理論体系を進言するべき委員会にすべき」との見解におおむね賛意を示し、与党の税調を追認する現在の政府税調のあり方を「社会・世論をリードすべき責任を担ってほしい」と疑問を呈した。

 最後に、藤末議員は政権を取り、租税特別措置の見直しによって3兆円ぐらいの財源を生み出すと法案の意義を強調した。
関連URL
  租税特別措置の整理及び合理化を推進する「租特透明化法案」を参議院に提出
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=15505
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