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2009/04/28
【参院本会議】経済構造の転換の必要性を強調 代表質問で直嶋政調会長




 直嶋正行政調会長は28日夕、参院本会議で与謝野財務大臣の財政演説及び21年度補正予算案に対する代表質問に立った。

 直嶋議員ははじめに、今回の補正は麻生内閣4回目の経済対策予算であるとして、国民生活が窮地に陥っているなか過去3回の経済対策の効果がなかったことを首相自らが認めたものだと指摘。今回の対策もこれまで同様、景気回復には結びつかず、巨額の借金のみを残すことになると考えると述べ、政府案にある「子育て応援特別手当」、「医師不足対策事業」や「緊急人材育成・就職支援基金」を例に民主党が掲げる恒久的な将来につながる政策の違いを強調、日本の経済構造を転換し、国民生活の向上に結びつくものではないと断じた。

 麻生首相は、経済の底割れ防止を最優先しているとして、今回の対策においても間接的ではあるが家計の可処分所得の向上につながると強弁。早期の補正予算成立こそが経済危機対策になるとこれまで通りの主張を繰り返した。

 直嶋議員は続けて、今こそ「内需主導型」経済への転換が必要であり、その実現のためには、社会保障の抜本的な強化で将来への不安を払拭し、安心して消費できる環境を作ること、家計の可処分所得を増やすことが重要だと主張。可処分所得を増やすための政策の柱として「子ども手当」、「ガソリン税などの旧特定財源の暫定税率廃止」、「高速道路無料化」を挙げ、その効果を説いた。

 そのうえで、将来想定される大増税の前提となる経済成長率、税収の見込みについて、補正予算の提出に合わせて経済見通しをマイナス3.3%に下方修正したことを問題視するとともに、経済成長率の見直しとともに当然修正されるはずの税収見積もりがなされなかったことを取り上げ、なぜ見直されないか、今回の対策での国債発行額44兆円程度と比べどの程度かと質問。麻生首相は税収見込みについて、「20年度の税収の決算、21年度の課税実績など様々な要素を踏まえて今後検討する必要があり、これらが揃わない現時点では見積もりは困難」と答弁。「仮定の話に答えることは困難」と答えたうえで、景気対策を最優先としながらも、中期的には財政責任は果たすこと重要との考えに変わりはないとした。

 直嶋議員は、民主党は税金のムダ遣いの根絶し、「国民の生活が第一。」の政策を実現すると表明。今ある財源を重要と考える政策に重点的に投入すれば予算の規模が過度に膨らむことはなく将来のリスクも低く抑えられると述べ、この税金の使い道を大胆に変えることは長期政権のもと政官業の癒着の構造にある自民党にはできないとその違いを改めて強調した。

 直嶋議員はこのほか、谷内政府代表のいわゆる「北方領土の3.5島返還発言」が問題になった北方領土の返還方針、ミサイル発射問題を含め北朝鮮にどう対応するか等、外交問題にも言及し、麻生政権の外交姿勢を質した。

 直嶋議員は最後に、オバマ新大統領のもと、政策の大転換を図ろうとしている米国と同様、日本においても現下の閉塞感を打ち破り、日本の将来を拓くには、政治を変え、政治の力で「国民の生活が第一。」を実現するしかないと表明。国民の負託を受けた政権のもとでの経済対策実現が望ましいと主張、一刻も早く解散総選挙に踏み切るべきだと首相に進言し質問を終えた。
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