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2009/05/03
憲法記念日にあたって(談話)
民主党 政策調査会長
直 嶋  正 行

 日本国憲法は本日、施行から62年を迎えました。「国民主権」、「平和主義」、「基本的人権の尊重」という普遍的な価値が日本の社会、国民の間に定着し、支持されてきた62年という歳月の重みを強く感じます。民主党は、この憲法記念日を国民の皆様とお祝いしたいと思います。
 
 民主党は、「憲法は国民とともにある」という観点から、現行憲法に足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改めることを国民の皆さんに責任を持って提案していきます。今後も国民の皆さんとの自由闊達な憲法論議を行い、国民の多くの皆さんが改正を求め、かつ、国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます。

 そもそも、「憲法とは公権力の行使を制限するために主権者が定める根本規範である」というのが近代立憲主義における憲法の定義です。決して一時の内閣が、その目指すべき社会像や自らの重視する伝統・価値をうたったり、国民に道徳や義務を課したりするための規範ではありません。

 しかるに去る4月23日、与党が衆議院議院運営委員会で「衆議院憲法審査会規程案」を提案しました。解散、総選挙を目前に控えるこの時期に憲法審査会で何をしようというのでしょうか。一昨年4月のいわゆる国民投票法案の強行採決を反省することもなく、またしても憲法を政争の具にしようとする与党の態度は到底賛同できません。落ち着いた環境のもとで、じっくり腰をすえ、与党だけではなく、主要政党が合意した上で議論を進めることが、憲法を議論するための土台です。選挙公約に新憲法制定と掲げるだけでは憲法の議論は成り立ちません。このことを与党、とくに自民党は肝に銘ずるべきです。

 なによりも、民意を反映していない議論の場で拙速な改憲論議をおこなうことには、国民の信はありません。まずは国民の意思を反映した国会議論の場を作ることこそが急がれていることは論を待ちません。
 国民参加の憲法論議を高めるためにも、速やかな解散・総選挙を行うことが必要であることを、憲法記念日に当たってあらためて申し上げます。

以上
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