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2006/05/25
【衆院本会議】三日月議員、政府の建築基準法改正案の欠陥指摘


25日午後、衆院本会議において、耐震偽装問題の再発を防ぐための建築基準法改正案の採決が行われ、三日月大造衆院議員(遊説局長代理)が政府提出の「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法改正案」に反対し、民主党提出の「居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法改正案」に賛成する立場から、討論を行った。

 三日月議員は討論の冒頭で、わが国の安全、とりわけ「子ども」「乗り物」「食べ物」「建て物」の安全を回復させることが今国会に課された使命であったと述べ、建物の安全性を確保するためには、偽装問題の実態を把握し、原因と背景を分析した上で、再発防止策をとるべきだとした。三日月議員はこの観点から、与党が偽装問題への関与が疑われる伊藤元国土庁長官の証人喚問を拒み続けたことは無責任であると厳しく批判した。

 三日月議員は、民主党提案の建築基準法改正案は利用者・購入者そしてまじめな建築関係者の立場に立ったものであり、「とりあえずの取り繕い」であり「行政と業界への遠慮の塊」のような政府案とは180度異なるとして、決定的な相違点を3点あげた。

 相違点の第1は、政府案では問題の根源である設計・施工・監理の分離が行われず罰則強化でお茶を濁しており、民主党案と異なり建築士の独立性を確保する制度を設けておらず、建築士の従属的な地位が改善されていないことだとした。第2は、政府案では住宅やマンションの購入者への情報開示が不十分であり、民主党案と異なり販売広告に保険加入の有無の表示を義務付けるなどの措置を取っておらず、消費者の権利と財産を守るための実効ある対策がとられていないことだとした。第3は、政府案では官(特定行政庁)の責任が不明確であり、民主党案と異なり「建築確認済み証」は必ず特定行政庁が交付することや中間検査などを義務付けておらず、セーフティネットが盛り込まれていないことだとした。

 三日月議員は、現在問題となっている社会保険庁による年金納付率偽装問題にも触れ、「モラルが働かず、ルールが守られず、チェックが行われない」という官の状況を憂うとともに、行政と業界のもたれあいによって厳正な監督・指導が出来ず、「言葉だけの改革」に終始する現政権を厳しく批判した。そして、政権交代こそが真の構造改革であることを強調し、討論を締め括った。
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