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2009/05/12
【衆院予算委】日本の国のあり方を議論 岡田副代表




 岡田克也副代表は12日午前、衆議院予算委員会で「今後の日本社会について」に関する集中審議で質問に立ち、日本の国のあり方について麻生首相と議論した。

 岡田副代表はまず、いわゆる世襲問題について民主党の考えを説明したうえで、首相の見解を質した。岡田副代表は、小選挙区制度のもと日本では二世議員が当選しやすい風土があるとして、日本の民主主義そのものが同一的になり、脆弱になることがこの問題に危惧を感じる本質であると指摘。そのうえで、次男を後継者指名した小泉元首相の姿勢について自民党が2004年に改革検証委員会でとりまとめた「空白区及び補欠選挙における候補者選考は公募を原則とする」との方針との整合性を質した。麻生首相は、「支部における手続きが抜けている」との認識を明示。岡田副代表は、「民主党は志があり努力をした人が国会議員になりたいという思いのなか頑張れば国会議員になれるチャンスがある政党である」と自民党との違いを強調した。

 岡田副代表は、資金面においても法律で一定の制限を設けていく考えを述べ、国民の政治不信を払拭していきたいとした。

 これに関連し、企業団体献金についても、すべて悪とは思わないが色々なものが紛れこむと指摘。資金管理団体のみならず政党支部を含めて規制していくのが筋だと主張、民主党として政治資金規正法案を提出するから賛成してほしいと求めた。

 岡田副代表は続いて、昨年10月の追加の経済対策発表時の麻生首相が述べた「100年に一度の経済危機」との言葉について、本来ならば首相として具体的な対策を示し「100年の一度の危機にはしない」と発表すべきだったと指摘。リーダーの発言として軽率だったと批判した。

 また、今回、経済危機といわれるなかで内需関連業のマイナスはわずか0・1であり、3.2のマイナスのほとんどが外需関連業だと分析。2001年から2007年で輸出の依存度(GDP比率)が10・2%から15・6%に増加したことにも言及、「2005年の総選挙で小泉元首相は改革の結果としての経済成長を強調したが、振り返れば輸出が増えただけ」だとして、構造転換することが重要だと改めて強調した。 

 次に地球温暖化問題に触れ、2020年の温室効果ガス削減目標として政府が示している6つの案のなかにプラスの数字があることを問題視。地球温暖化対策のデメリットばかりを強調する麻生首相の姿勢を批判した。対策を講じなかったときに人類全体にどのような問題があるかを考え、真剣に取り組むべきだと主張するとともに環境政策における雇用創出などのメリットに言及、これまでの失敗を反省したうえで、政府が経済優先にのみならず整合性のある目標を示したほしいとした。

 岡田副代表は、最後に核兵器の問題を取り上げ、「核の問題をどうするのか」、日本の基本姿勢を示すよう要請。核兵器のみを切り離して議論することは難しいとする麻生首相に対し、核兵器は特別だからこそオバマ大統領も議論の必要性を指摘したとして、少なくとも先制使用を止めるべきだと主張、核を保有していない国への使用を違法とするなど日本が強いリーダーシップのもとに具体的提案をするよう求めた。
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