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2009/05/18
民主党農水キャラバンが静岡で意見交換会を開催




 党農水キャラバン(座長:高橋千秋『次の内閣』ネクスト農林水産副大臣・参議院議員)は18日、静岡県掛川、浜松両市を訪れ、意見交換会等を開催した。

 今回の農水キャラバンでは、愛知万博で使われた建物をそのまま移築・保存している農家を訪ねての地域集会、JAとぴあ浜松曳馬支店での「農林水産業を語る会」、浜松市浜北区での「農業集会」をそれぞれ開催し、高橋座長はじめ、平野達男、舟山康江両参議院議員、地元の榛葉賀津也参議院議員、小山展弘・静岡県第3区総支部長、斉木武志・静岡県第7区総支部長、斉藤進・静岡県第8区総支部長、阿部卓也静岡県議会議員らが出席した。

 この中で平野議員からは、「16日に民主党両院議員総会で鳩山由紀夫代表が選任され、19日の総会から新しい体制でスタートすることになる。民主党は政策が大切であると考えており、この農水キャラバンでは、高橋千秋座長を中心に、民主党の農林水産政策を訴えるとともに、地域の声を農政に反映させていきたいと考えている」と挨拶。そして、民主党の農業者戸別所得補償について触れ、「欧米諸国では、農産物の生産費と市場価格との差を補てんする所得補償政策を行っている。日本は所得補償の額が極めて小さい。民主党は農業を続けていくために一定の戸別所得補償制度を導入し、およそ1兆円を充てたいと考えている」と述べた。

 舟山議員は、「国際的な貿易が行われ、価格が自由に設定されるようになれば、農作物の価格が下落していくのは当然のことだ。その際、農業を守る手段がなければ、日本では農業を続けていくことができなくなる。農家がいなくなると、農村の景観や地域社会がなくなってしまう。それを守るためには消費者が一定の負担をしていく必要がある」と述べ、農家に対する戸別所得補償制度は、農家のためだけではなく、消費者のための農業をつくる制度であるとした。また、「今の政府のその場しのぎの補助金だけではなく、民主党の農業者戸別所得補償制度で何としても農業を守らなければならない」と訴えた。

 高橋座長は、「農林水産政策は社会政策であると考えている。地域の人が地域に住み続けられることが大切だ。政府の緊急経済対策でも1兆円程度が割り当てられているものの、受け手側の対策がほとんど含まれておらず、現場のことが全くわかっていない」と政府の農業政策を批判した。また、農地法改正が議論されていることについても触れ、「これから5年程が大きな山場になるのではないか。民主党の農林水産部門会議でも議論を続けていきたい」と述べた。また、「私たち農水キャラバンを中心に全国を廻り、農林水産業の実態を肌で感じて、地域の声を反映させていきたい」と述べた。

 出席者からは、「農家を守ってもらえるような政策に期待している」、「農家を継がせるような状況にはない」、「日本は先進国の中で最も低い食料自給率だが、これからどのように変えてもらえるのか」、「お茶は嗜好品であり、量産すれば良いというわけではない」、「株式会社の参入が悪いとは言わないが、規制をしっかりとして、農家を守ってもらいたい。一番良い農地が遊休農地になっているのは、政府の失政ではないか。政府は実態がわかっていないのではないか」といった意見が出された。農業の他にも、「商業においても不況のあおりを受けている。これからの民主党政権で打破してもらいたい」といった意見が出された。

 これに対して、「農地の利用権設定等についても、家族農業を優先にすること等しっかりと位置づけていきたい」(平野議員)、「今回の農地法で地域が崩壊することを私たちは懸念している」(高橋座長)、「農業を守ることは、農作物を作るという役割を守るだけでなく、景観を守り地域社会を守ることだ」(舟山議員)などと応えた。

 また一行は、JAとぴあ浜松農協本店を訪問し、鈴木和俊理事長、増谷幸大専務、飯島康隆常務理事らと面会。この中で、平成8年をピークに農業生産、農業関連事業の縮小が続いている現状や、高齢化が深刻であり、後継者が不足している実態等について積極的な意見交換がなされた。
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