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2009/05/28
【参院予算委】政権交代で政治主導の外交実現を 犬塚議員




 民主党・新緑風会・国民新・日本の犬塚直史議員は28日午前、参院予算委員会集中審議で質問に立ち、北朝鮮による核開発問題を中心に政府の危機管理体制を質した。

 犬塚議員は冒頭、今回の補正予算案において国土交通省が海賊対策に十分な装備予算を組まなかった理由を質問。金子国交相は、海上保安庁の全体の戦力としてどうあるべきか、海賊対策を含めた日本の周辺海域の哨戒態勢の見直しを検討する方針を明示、今回の補正予算は緊急整備に充てたとした。犬塚議員はJICAらを中心とした東南アジアの海賊対策において成果を発揮している活動を例に、日本が得意とする分野で行うべきだと主張した。

 続いて犬塚議員は、25日に北朝鮮が地下核実験を再び強行した問題に関して、日本政府が核実験と断定したのはいつかと訊ねたが、河村官房長官は曖昧な答弁に終始。犬塚議員は「表現のひとつで国民は非常に不安に思う」と苦言を呈したうえで、実験の事前通告の有無を中曽根外相に質した。

 中曽根外相は、これまでインテリジェンスに係ることは答えられないとして答弁を拒否していたが、米国から事前通告があったと明言。犬塚議員は、情報を知り得たできるだけ早い段階で対策本部を設置すべきではないかと迫り、外交は有権者の代表としてオープンにすべきだとして、事実を公表しない政府の対応を問題視した。

 さらに、北朝鮮の核実験は想定していたとしながらも対策室の設置が実験当日の11時45分、対応が後手後手だと政府の危機管理体制を批判。これまでも2回目の核実験の可能性を指摘されてきたことや米国の外交問題協議会のレポートにも言及し、官僚組織を活かした政治主導の危機管理が行われているのかと問題提起、政府の対応に危惧を示した。

 また、犬塚議員は北朝鮮の核実験に関する首相声明中にある「対話と圧力」に関して、北に対する最大の圧力とは何かと質問。「国連安全保障理事会における決議が極めてきついものがあり、迅速に出されることが一番大きな圧力になり得る」と述べる麻生首相に対し犬塚議員は、「国際社会が一致してあらゆる手段をもって、圧力をかけていくのは当たり前の話」と一蹴、声明で言及した国連安保理決議、NPT、平壌宣言等のうち、国際社会上強制力をもつ経済制裁と武力制裁を含む7章下の決議こそが最大の圧力だと指摘した。そのうえで、対北朝決議で既に出ているこの決議を、どの程度の合意をもって突きつけていくかが重要だと主張。核廃絶に向け日本としてリーダーシップをもって発言していくべきだとして、そのためには民主党が政権を獲り、官僚外交を脱皮し政治主導の外交を行うほかにないとして質問を終えた。
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