ニュース
ニュース
2009/05/28
【参院予算委】鈴木議員、新型インフルエンザ問題で質問




 鈴木寛議員は28日午前の参院予算委員会集中審議で、新型インフルエンザ問題について、現場の専門家の見解を質し、関係大臣と議論した。

 冒頭、鈴木議員は「現場や専門家の意見に、謙虚に耳を傾けて、すべての関係者が立場を超えて『国民のいのちを守る』、その一点に絞って、考え、発言し、行動することが必要だ」と指摘。「検疫の限界」について、森兼参考人(国立感染症研究所主任研究官)に見解を求めた。

 森兼参考人は、まったくムダではないが、検疫に要する人手とお金、時間と手間のバランスの問題だと表明。国内対策の遅れを教訓にして第2波以降に備えるべきこと、一刻も早く自宅に帰りたいところ、2週間で10万人の乗客が成田検疫で不快な思いをしたことを残しておくべきではないかと語った。

 鈴木議員はまた、空港の現場で働き、水際対策への偏重に警鐘を鳴らしてきた木村参考人(東京空港検疫所支所検疫医療専門職)に対し、意見を求めた。木村参考人は、空港で検疫官が走り回る姿が国民に対するアイキャッチとして利用された疑いがあると指摘。また、水際の検疫は検疫法に基づいて国主導だが、国内に病気が入れば感染症法に基づいて地方自治体主導となるとして、水際偏重には、自治体主導を想定外とした厚生労働省の考え方があったのではないかと述べた。

 さらに木村参考人は、厚労省の医系技官の中で十分な議論がされないまま、あるいは十分な情報の見直し、収集がされないまま、検疫偏重の行動計画が策定された可能性に言及した。鈴木議員は、これら専門家による見解を踏まえ、検疫法改正に向けた検討状況やPCR検査体制を厚労省健康局長に質し、感染症指定医療機関の病床確保や運営費交付金について麻生首相、舛添厚労相、鳩山総務相と議論した。

 鈴木議員は、血液の不活化や診断技術の開発、治療場所の体制整備などの必要性を訴え、当初予算で想定し得なかった問題が起きたときの「補正」であり、積んでおいたうえで問題が発生したら直ちに導入するような「基金」だとして、それが本来の予算の使い方だと指摘した。

 ムダな予算を見直して、補正予算の組み替えを求める鈴木議員に対し、首相は、修正や第2次補正は考えていないと答弁した。また、財源について鈴木議員が、農林関係の20の基金で7000億円、官庁が導入する太陽光パネル308億円、環境自動車310億円、エアコン235億円といった部分を削れば万全を期せると指摘、首相は、地球環境温暖化などの問題を考えたときには大事な支出だという見解を示した。

 鈴木議員は「我々と優先順位が全く違う」と述べ、「速やかな政権交代が必要であることが良く分かった」と締めくくった。
記事を印刷する