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2000/03/08
建設省OB議員会社の出版独占を追及=田中慶秋・平野博文議員
 8日の衆院建設委員会で、民主党の田中慶秋、平野博文両衆議院議員は、建設省関連の「公的資格」取得用テキスト・問題集を同省OBの前参院議員の会社が独占的に出版し、同省の職員にも監修させて原稿料を支払っていたと報じられた問題で、「省あって国なし、天下り構造の典型だ」として、同省の腐敗体質を追及した。

 まず田中議員は、「93年に業者が抱えることが義務付けられた建設業経理事務士の資格が典型だが、本来は企業の責任でやるべき事柄なのに、建設省が様ざまな『公的資格』の取得を押しつけ、そのための試験や講習会を実施する公益法人を増やして天下りの受け皿にしている」と指摘。さらに「規制緩和のため、こうした試験や講習会を廃止し、残すにしても癒着の指摘を受けぬよう関連公益法人からOBを除外すべきだ」と迫った。これに対し小野邦久建設事務次官は「誤解を与えぬよう検討する」と述べる一方、「必要な試験や講習会制度もあり、そこで(OBの)専門的な知識を活用することも必要」と消極的な意向を示した。

 さらに田中議員が「試験や講習会を1度行うと、それに使われるテキストは何十万部も売れる。利権の温床だ。しかも建設省職員がそこに寄稿して年に1千万円以上の原稿料を受け取っているのはおかしい」と追及したが、小野事務次官は「テキストに誤りがあると大変だから内容を熟知している現場の職員が書いている」などと答弁し、自浄能力のなさを露呈した。

 続いて質問に立った平野議員も、「故永田良雄前参院議員の政治団体の会計責任者が、出版社の社長を務めていたというのはまさに癒着だ。絶対あってはならないことで、建設省の猛省を促す」と述べ、根本的な体質の改革をするよう求めた。
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