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2009/06/09
原爆症認定問題に関し被爆者援護の立場で対応するよう官房長官に申し入れ 




 藤村修『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣は9日午後、官邸を訪れ、河村官房長官に対し、原爆症認定問題に関し被爆者援護の立場で対応するよう要望書(以下ダウンロード参照)を手渡した。申し入れには、高木義明・民主党原爆症認定制度見直し作業チーム座長、松本大輔・同事務局長、山田正彦・前ネクスト厚労大臣が同席した。

 申し入れでは、未認定だった原告9人を原爆症と認めた5月の東京高裁判決ほか、原爆症認定訴訟では、被爆者勝訴の判決が全国の地裁・高裁で相次ぎ、国は18回続けて敗訴していると指摘。平均年齢は75歳を超え、306人の原告のうち68人が逝去されており、一日も早い救済が求められているとして、(1)東京高裁判決について上告しないこと、(2)勝訴原告をただちに原爆症と認定し、未判決あるいは敗訴の原告についても被爆者救済の立場で対応するなど、すべての原爆症認定訴訟について全面解決を図ること、(3)被爆者全員救済の理念で、原爆症認定制度を全面的に改めること――の3点を要請した。

 高木座長は申し入れ後、記者団に対し、民主党はこれまで、今の原爆認定制度の不適切な部分を追及、高齢化に伴い早期解決を求めてきたと改めて説明したうえで、司法判断のみで解決しないのは残念であり、裁判の繰り返しを重ねるのではなく、政治的決断をしてほしいと求めたとした。

 (1)の東京高裁判決については、政府も本日上告しないことを決定、民主党が先週から要請していた申し入れの意向を受けたかたちであり評価できると話した。(2)については、官房長官は、全てではないができる限り対応していきたいと前向きな姿勢を示すとともに、舛添厚労大臣と連携し厚労省に検討を既に指示、広島、長崎の原爆の日までにひとつの大方針を出したいと述べたと報告した。

 (3)に関しては、民主党は原告団との意見交換をするなかで9割方はできていると議員立法提出に向けて作業を進めるとしたうえで、官房長官が「議員立法」という言葉を口にしたことに言及、与野党協議により政府ではできない壁を越えることができるとの認識があるのではないかとの見方を示した。
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PDF 原爆症認定問題に関する申し入れ
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