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2009/06/10
与党は政治的思惑で憲法改正を利用している 簗瀬参院国対委員長が会見で批判




 簗瀬進参議院国会対策委員長は10日午後の定例記者会見で、同日午前に参議院与野党国対委員長会談が行われたことを報告した。

 簗瀬国対委員長は、明日11日の厚労委員会で国民年金法改正案の採決を行うよう与党側から求められたことを明らかにし、財政金融委員会との連合審査も含め、まだ審議すべきことが多々残っていることや、国民年金法改正案の60日ルールの満了日を過ぎても議論をすることはできるとして、まだ採決時期ではないと返答したと語った。

 また、明日にも衆議院で憲法審査会の委員数や手続きなどを定める「審査会規程」の与党案を強行採決するという動きがあるとして、2007年の国民投票法案の採決時に、参議院が指摘した法案の不十分な部分――(1)国民投票の最低投票率の定めを置いていない点、(2)一括提案の関連性の判断を誰がどのようにするのかの手続きが定められていない点などを例として挙げ、18項目の付帯決議がなおざりにされていることを改めて指摘。付帯決議については、参議院の自公議員も了解していることであるはずなのに、全く無視する形での一方的な採決で、与党は政治的思惑で憲法改正を利用していると厳しく批判した。

 次に、海賊対処法案の対応について記者団に問われ、「シビリアン・コントロールに関する大変重要な議論であり、さらに外交防衛委員会では、北朝鮮の様々な問題についても、並行して議論していかなければならない」として、採決日程は未定であると述べた。
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