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2009/07/01
【参院本会議】07年度決算否決 家西委員長報告 神本議員討論




 参議院本会議が1日午前開かれ、2007年度決算外2件について、家西悟決算委員会委員長が決算委員会における審査の経過と結果の報告を行うとともに、同委員会筆頭理事の神本美恵子議員が民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、07年度決算外2件に是認することに反対し、内閣に対する警告決議案に賛成する討論を行った。

 委員長報告に立った家西委員長は委員会における質疑終局後に、決算審査を踏まえ、内閣に対する警告案及び9項目の内閣に対し措置を要求する決議案を提出したことを明らかにした。

 警告決議では、07年度決算の検査報告で法令違反を指摘された件数、金額がともに過去最悪となったことを批判し、「遺憾である」として、不当事案の是正に向けて、より厳正に対処するよう求めた。また、国の補助事業であるテレビ会議システムが長期間有効に活用されていない問題、国際機関の信託基金の閉鎖に伴う拠出残余金の放置問題、厚生労働省の委託事業における不適正経理問題、厚生年金の記録改ざん問題などを列挙して、内閣に対して適切な措置を講じ、結果を報告するよう求めるとした。

 討論に立った神本議員は07年度決算の是認に反対する第一の理由は、日本の財政悪化に歯止めがかからず、国の借金を一段と膨らましたことであると指摘。07年度の公債依存度は31.0%と依然として高い水準にあり、長期債務残高は767兆円を数え、GDPの約1.5倍に達し、「財政状況は戦後最も危機的な状況に陥っている」と断じた。

 反対する第二の理由は、こうした危機的状況にもかかわらず、政府は、巨額のムダを発生させていることであると指摘。07年度決算検査報告によると、会計法令等に違反した不当事項等指摘件数967件、指摘金額1253億6000万円と件数、金額ともに過去最悪となっていると神本議員は明かし、しかも、指摘を受けた不当事項のうち是正措置が未済のものが465件、131億8000万円に上っている点を問題視した。

 また、国の随意契約と天下りが一向に改善されない点を指摘。各府省が締結する随意契約の支払金額割合は、07年12月時点で58%と依然として競争契約を上回っており、とりわけ契約相手先が公益法人・独立行政法人では、それぞれ85%、99%と極めて高くなっていると指摘。さらに、指名競争入札を経て発注した支出においても、官製談合事件が起こっていることも見逃せないとし、反対を改めて表明した。

 神本議員は一方で、警告決議案には賛成し、政府に遺憾の意を表明するとともに、改善を強く望むと厳しい口調で訴え、「政府の失政を厳しく指摘するとともに、決議案の内容に沿って今後の善処を求める」と語った。

 また、国有財産関係2件についても、財政再建に不可欠な、国有財産売却の努力が不十分であることなどから、是認に反対すると表明した。

 神本議員はさらに、01年の初当選直後、故久保亘元大蔵大臣から「華やかな予算と比べて決算委員会は地味だけど勉強になるからね」と教えられて以来8年間、決算委員会に所属し、「再考の府、参議院」として決算審査の充実にむけ、与野党問わず政府に対して鋭く厳しく追及する決算審査の在り方を学んできたと振り返った。あわせて、参議院は、長年にわたって、与野党一致して決算重視の姿勢を示してきたことにふれ、与野党一致して警告決議を行おうと与党議員に呼びかけ、全会一致で「決算重視の参議院」としての姿勢を示すことができるよう、強く要望して、討論を締めくくった。

 討論終局後採決が行われ、07年度一般・特別会計の決算を民主党など野党の反対多数で否決。国有財産関係2件は否決、政府に予算執行の適正化を求める警告決議は民主党はじめ野党の賛成多数で可決された。
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