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2000/10/02
<参院・選挙制度特別委員会>野党の抗議の中与党だけで強行開会
参院比例代表選への非拘束名簿式導入をめぐり、斎藤十朗参院議長が先週21日、選挙制度特別委員会の名簿提出を拒否した共産、社民、自由3野党の委員を職権指名したことを受け、同特別委は2日午後、民主党など野党側が強く抗議する中、与党だけで委員会を強行開会し、委員長に倉田寛之議員(自民)を選出した。

 野党は2日午前の野党国対委員長会談で、委員会出席拒否の方針を確認、職権指名された6委員が辞任届を議長あてに提出した。しかし、議長は受理せず、与党は「議長の手続きに瑕疵(かし)はない」として開会を要求した。

 これに対し、13時前から野党議員が参議院第1委員会室前に集まり、委員会を開かないよう強く申し入れたが、強引に入室した仮委員長の鎌田要人議員(自民)が開会を宣言。野党議員が抗議する中、委員長を選出した。倉田委員長は「野党から理事の推薦がない」として与党理事だけを選任した。

 こうした中、斎藤議長は局面打開のため参院の各派代表者懇談会を呼び掛けたが、民主党・新緑風会の久保亘議員会長が野党を代表して議長に対し、「各会派代表者会議は2月25日の与野党合意を前提としたものでなければ、出席しない旨を以前より伝えている。本日の委員会での委員会構成は無効」と主張し、出席を断った。

 これらの動きを受けて、民主党では緊急に両院議員総会を開き、赤松広隆国対委員長、直嶋正行参院国対委員長がこれまでの経過を説明。菅直人幹事長が「衆参一体となって行動し、与党の暴挙に対抗する」と述べ、医療保険制度改正関連法案の趣旨説明が予定されている3日の衆院本会議の延期を申し入れ、もし本会議が強行された場合は野党4党は欠席するとの方針を明らかにした。

 最後に鳩山由紀夫代表が、「(与党は)次の参議院選挙で自分たちが勝つように選挙制度を変えようとしている。独裁政権でもあるまいし、民主国家でこのようなことが起きていいはずがない。議長の委員指名は歴史的暴挙だ」と述べ、全党の結束した行動を訴えた。 

この後、民主党の伊藤忠治衆院議員ら野党側の衆議院議院運営委員会の理事は「こうした不正常な状況では、3日の衆議院本会議には出席できない」として、藤井議院運営委員長に本会議を開かないよう申し入れた。
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