ニュース
ニュース
2009/07/14
【参院本会議】首相への問責決議を可決 輿石会長が趣旨説明、北澤副代表が賛成討論




 麻生首相への問責決議案が参院本会議で14日午後、議題となり、野党などの賛成132、反対106の賛成多数で可決された。

 趣旨説明に立った輿石東参院議員会長は、「民主党・新緑風会・国民新・日本、日本共産党、社会民主党・護憲連合の3会派を代表して」と切り出し、「いくらあなたが目を閉じ、耳を塞ごうとも、政権交代を求める国民の意思に逆らうことはできない」として、直ちに衆院を解散することを要求した。

 輿石会長は、「私は決断した。国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おうと思う」とする麻生首相の発言を取り上げ、「これは、去年の秋就任早々あなたが月刊誌に投稿した論文の書き出し」だとして、衆院の解散を先延ばしにしてきたことを挙げ、この点だけでも首相失格だと糾弾した。

 また、「今、麻生総理にとってなすべきことは唯一つ。それは、この10か月あなたが迷い続け、言い続けてきたご自分の手で衆議院を解散するということ」と断じた。

 さらに、「自公政権がこの4年間、総選挙で国民の信を問わないまま、3代にわたって総理のイスをたらい回しにしてきたことに、国民はあきれ果てている」として、「衆議院議員の任期切れ直前となった今、四度顔を変えて選挙にあたろうするのは、国民への背信以外のなにものでもない」と、自民党内の麻生降ろしをけん制、批判した。

 最後に、「もう一度思い出していただきたい。『麻生はやり抜く』と言われたことを」と指摘し、解散・総選挙を直ちに行うよう要求した。

 賛成討論に立った、北澤俊美副代表は、「過去10か月の麻生政治に対し、我々は断固として『ノー』を表明する」として、「総理大臣に不可欠な指導力、決断力、実行力のいずれに欠落し、国民に失望感のみ残したのが実情」と糾弾、首相失格だとした。

 さらに、首相失格の理由を、解散時期のブレ、定額給付金をいったんはさもしいとまで言いながら結局受け取ったこと、党役員人事断念、日本郵政の西川社長を切らずに鳩山総務相を切ったこと、官僚任せ・好き放題の経済対策などを挙げたうえで、「年金・医療・介護の将来に対する国民の不安増大に対し、なんら手を打たず、確かな制度設計を示すことがなかったことは麻生政権の致命傷」と批判した。

 最後に、北澤副代表は、「あなたの人生最大の失敗は総理になったこと、いや総理になりたいという野望に取りつかれたことかもしれない。塩野七生さんは『虚栄心とは他者から良く思われたい心情であり、野心とは何かをやり遂げたい意志である』と言っている」として、「総理になったとたんに野心を捨てて虚栄心だけの人になってしまったのではないか」と指摘し、首相失格であると重ねて糾弾した。
記事を印刷する