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2009/08/23
今度こそ地方分権を実現し、国の形を変えていく 神奈川県大船駅前で菅代行


 菅直人代表代行は23日午後、神奈川県のJR大船駅前で街頭演説を行い、「本格的な政権交代が想定される」として、集まった約700人の聴衆に対して、「皆さんのお力で政権交代を実現させていただきたい」と訴えた。

 1955年以降、93年に一度だけ政権交代がなされ、細川政権が誕生したと語った菅代表代行は、「しかしこの細川政権は事前の準備と余裕がなかった」と述べ、7党1会派による連立政権が成立し、自らもこれを支えたが、「残念ながらわずか8カ月で細川総理が政権から降りてしまった」と振り返った。

 それから16年の時間が経過したとした菅代表代行は、「旧民主党をつくり、新しい民主党をつくり、小沢さんが率いる自由党と合併し、政権交代ができる大きな枠組み、政権を担える民主党ができた」と表明。そのうえで、「今度こそ、地方分権を実現し、国の形を変えていく。そして日本を再生する、国民のための政権をつくる政権交代を皆さんの力で実現していただきたいと思うがいかがか」と呼びかけると、大きな拍手と「その通り!」の掛け声が続いた。

 菅代表代行はまた、「日本の国がおかしくなった原因は何か」と問いかけ、「皆さん方が払われた税金が、ちゃんと皆さん方のために使われていないことに原因がある」と指摘。官僚の天下り先に多くの税金が使われている実態を明かしたうえで、政権交代のあり方を視察するために行った英国調査に基づき、「天下りなどまったくない」と述べた。

 その一方で、節約することが美徳ではなく来年度のためにムダ遣いしてでも予算を使いきることが求められる日本の政治、さらに葬儀の費用まで省庁が面倒をみる事態にまで陥っている日本の官僚政治の弊害を浮き彫りにした菅代表代行は、政権交代を実現することで、こうした構造を改め、国民のために税金が使われるようにすることで、この国の政治を正していくと力説した。

 同時に、地域の皆さんが求める、地域にあった政治を進めるには地方分権が不可欠だとの認識に立って菅代表代行は、そもそも霞が関の官僚が地方への権限移譲を困難にさせている原因だと指摘し、こうした現状を打開するには「政権交代で、国の権限の中心である内閣を、地方分権を進めるための考えをしっかりもった政党が握るしかない」と断じ、「霞が関にまかせていては、自民党にまかせていてはできない」として、民主党による地方分権、地域主権の国づくりに理解を求めた。

 なお、演説会は大石尚子参議院議員が司会を務めた。
 

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