ニュース
ニュース
2002/05/08
【衆院事態特】松野議員、民有地収用の補償基準を質す
 8日、衆議院の武力攻撃事態への対処に関する特別委員会において、民主党の松野頼久議員が質問に立ち、有事の際の国による私有財産収用の損失補償に関連して、沖縄軍用地の借料算定基準の不透明さを追及した。

 松野議員はまず、有事の際の民有地収用に対する損失補償の基準が地方公共団体の公共用地借り上げに伴う算定基準に準じることを確認した上で、沖縄の軍用地(駐留米軍基地用地、防衛施設用地)の借料が不透明な算定基準の下で年々大幅に増額している(30年間で6倍)問題を指摘。借料の算定基準、防衛当局が実際に算定した評価額などについて質した。

 防衛施設庁の嶋口長官は、固定資産税額に土地利回りをプラスして算定することを旨とする昭和27年の閣議了解が基準になっているとしたものの、過去の実際の評価額については「地主側との今後のやりとりに影響を与える」などとして明らかにしなかった。

 松野議員は、「それではクリアな基準に基づいて算定が行われているかどうか、判らない」と批判。加えて、沖縄県軍用地等地主会連合会(土地連)が防衛施設庁の概算要求額をアップするために「関係国会議員の全面的バックアップ」を受けたとしていること、政治連盟を通じて毎年政治家に献金していることなども指摘し、「これで公平に借料が算定されていると言えるか」と厳しく断罪した。嶋口長官は、「土地連の内部事情は関係ない」などとあいまいな答弁に終始した。

 松野議員は、公正でクリアな借料算定ルールの策定を要求するとともに、「私権制限にあたってのモラルをしっかり確立しなければ、有事法制の議論も進められない」と厳しく指摘した。
記事を印刷する