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2000/10/17
<参議院選挙制度>来年の参院選は現行制度で〜野党が要求
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参院選比例区への非拘束名簿方式導入と参院定数10削減を盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐり、国会では与野党の対立が激しくなっている。
野党側は、(1)野党抜きのまま選挙制度特別委員会で可決された公選法改正案を採決する本会議は開くべきではない(2)選挙制度の問題は参院選挙制度協議会の場に差し戻す−−の2点を主張している。
16日に斎藤十郎参院議長があっせん案を示し、対応を与野党がそれぞれ協議した。
あっせん案の内容は、(1)定数削減は鹿児島選挙区の2減にとどめる(2)非拘束名簿式の導入を行うが、比例代表の定数50議席のうち、上位25名を得票順とし、下位25名は従来通りの拘束名簿式とする混合型とする−−が柱。
議長のあっせんが国会運営を超え、法案の修正までに及ぶのは異例のこと。民主党では、ただちに参議院議員総会でこの議長案を報告したが、「これは混乱解決のためのあっせん案ではない。野党説得案である」「野党はなめられている。定数削減を減らすことで説得できると思っているのか」「議長の越権行為である」などの批判が相次いだ。
民主党は17日午前8時からの国会役員会で対応を協議。野党側は17日午前の参院国対委員長会談を開き、議長あっせん案は受け入れられないことを確認した。
午後からは、菅野久光参院副議長の仲介で、与野党の議員会長が議長あっせん案などを断続的に協議したが、野党側は「来年夏の参院選は現行の拘束名簿方式で行うべきだ」と主張。これに対し、与党側は「可決した与党案を白紙に戻すことはできない」と拒否し、折衝は平行線をたどった。
夜には、久保亘参議院議員会長と自民党の村上正邦参議院議員会長が副議長を交えて会談したが、歩み寄りは見られなかった。7時30分前、副議長室を出た久保会長は、記者団に「新しい要素は何もない。距離がありすぎる」と語った。
斎藤議長はあっせん案を示す際に、「与野党いっしょでなければ、絶対に法案を通すわけにはいかない。信念は曲げたくない」と明言。野党抜きのままでは本会議の開会には応じないとの姿勢を示している。
斎藤議長は、17日夜9時30分に参議院の各会派代表者協議会を開いたが、野党側は「事態打開へもっと話し合いを続けるべきだ」として、出席を拒否。そのため、斎藤議長は、協議を18日午前10時から開くことを各会派に伝えた。
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