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2009/10/29
【参院本会議】輿石会長が代表質問 政権交代の意義を問う 鳩山総理「真の意味での国民政権の樹立」と答弁




 輿石東参院議員会長は29日午前、参院本会議で鳩山由紀夫総理の所信表明演説に対して、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立った。

 輿石会長は、「総理を支える私たち民主党として、大局的な見地から、総理の考えを伺う」として、国民は民主党に何を期待したのか、この1カ月半の手応え、政権交代の意義、政治理念、マニフェストの実行の決意とその進め方、予算編成、「人間のための経済への転換」の実現方法、雇用対策などについて、友愛精神あふれる質問を展開し、民主党・鳩山政権の性格を浮き彫りにした。

 鳩山総理は、政権交代、民主党中心の政権樹立は、「国民の皆様お一人おひとりの勝利であり、真の意味での国民政権の樹立である」と応じ、「戦後行政の大掃除を行い、10円、1円単位まで税金のムダ遣いがないかを明らかにし、その税金を国民生活のための税金に振り替え、中央集権から地域主権の、国民自身が参加して支え合う社会とすること」に民主党中心の3党連立の意義があるとした。

 主なやり取りは以下の通り。

輿石会長 国民の皆さんは何に期待してこれだけ多くの支持を民主党に与えたとお考えか。

鳩山総理 自民党の長期政権によって、政治家である自民党議員たちはポスト争いに汲々とし、政策は官僚丸投げの事態となった。その結果、消えた年金記録、悪政である後期高齢者医療制度の創設、アニメの殿堂建設計画などが生まれ、国民の失望、将来と生活の不安が広がり、そうした状況の打破への思いが民主党への期待を高めた。

輿石会長 「ダム建設の中止」と「事務次官会議の廃止」は新政権の象徴。自民党政権ではできなかったことを直ちに行う、これが民主党。政権交代して1カ月半の手応えは?

鳩山総理 試行錯誤の部分もあるが、古い体質を変えてくれ、頑張れ、負けるなという声を背に、日本を変革する事業に取り組んでいく。

輿石会長 自民党政権のように、その場しのぎの策を積み重ねているだけでは、むしろ事態は悪化させるだけ。改めて政権交代の意義を。

鳩山総理 小手先ではなく、大掃除を行いたい。「コンクリートから人へ」という分かりやすい理念のもとに、政府の上から目線ではなく、国民の皆さんの視線の政治への大転換を図る。

輿石会長 私も「政治とは生活である、政治とは愛である」「子どもに夢を、青年に希望を、お年寄りに安心を」ということを政治信条としてきた。総理の理念は?

鳩山総理 他人の幸せが自分の幸せ、他人の痛みが自分の痛みと感じられる社会、それが私が目指す友愛社会。物質的な充足ではなく、精神的な充足を重んずる社会に向けて、そのために政府は何をなすべきか、これから真剣に検討する。

輿石会長 国民の皆さんとの約束は必ず実行することを明らかに。ただし、一度にすべてを実行することはできない。優先順位をつけて速やか着実に実現しなければならない。

鳩山総理 必ず4年間で実行する。できなければ政治家として責任をとる。財源との兼ね合い、難易度で優先順位をつける。国民の声に耳を傾けながら進めている。

輿石会長 ムダ遣いの排除、脱・官僚依存で国民の皆さんは政権交代を実感する。総理の決意を。

鳩山総理 政治は180度転換する。補正予算を削減するという歴史的実績を作り上げた。菅副総理、仙谷大臣、私で政治主導のこれから確立する。

輿石会長 我が国の貧困率はOECD30カ国中、悪い方から4番目。産業中心の経済政策は明らかに考え直すべき時期。人間のための経済への転換をどのように実現するのか。

鳩山総理 経済の自由競争は当然だが、セーフティネットを整備し、生活者、消費者の視点を重視し、経済指標の数字で踊らされてはならない。医療、介護、環境などの分野で雇用を生み出す。

輿石会長 生活者のための経済政策への転換が急がれる。雇用対策は。

鳩山総理 職を失った人への支援、新卒者への支援の確実な実現によって、安心して暮らせる社会を実現したい。企業、労組、NPOの皆さんの支え合いが大切。

輿石会長 各閣僚が存分に力を発揮される体制つくりに全力を尽くすことを会派を代表して誓う。

鳩山総理 党派を超えた参院の皆さんのご協力をお願いする。
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