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2009/10/30
【参院本会議】個々の人たちのライフスタイルを重視する政策への見解問う 円議員




 参院本会議で30日午後、民主党・新緑風会・国民新・日本の円より子議員は29日の輿石参院議員会長に続き、鳩山由紀夫総理大臣(代表)の所信表明演説に対し、会派を代表して質問に立った。

 円議員は鳩山総理が所信のなかで「持論である『友愛』の政治哲学をベースに、『いのちと生活を守る政治』を力説されたことに感動している」と述べたうえで、「友愛政治」を実現するために乗り越えなければならない障がいがあると指摘。世界同時不況に対処するためのマクロ経済対策のあり方などについて、鳩山総理をはじめ関係閣僚に見解を質した。

 鳩山総理はマクロ経済のあり方について、経済動向を注意深く見守りながら、日本経済をできる限り民需による回復軌道にのせたいと主張。「中長期的には国民の皆さんが安心して暮らせる人間のための経済への転換を図っていく」、「日本再興に向け科学技術分野をはじめ新たな需要のサイクルつくることが肝要」だと説き、国民の暮らしを守るため、大きな視点に立った財政再建の道筋を示していくと語った。

 藤井裕久財務大臣は、昨年9月からの世界的不況を乗り越えるには世界が協調していくことが重要だと指摘し、G20を成功させること、「国民生活中心」「福祉」「地域経済活性化」の方向に、内需中心に転換させるとともに、今後成長するアジアを中心とした外需も上手く取り組むことが重要だとした。

 東アジア共同体構想について鳩山総理は、長期的なビジョンであるとしたうえで、アジア全体、日本自体の活力につなげていく工夫が必要だと述べ、羽田空港のハブ化など国際航空ネットワークの充実、港湾の国際競争力の強化、金融全体の金融資本の強化などに取り組んでいきたいと持論を展開した。

 前原国土交通大臣は、今までの自民党政治は公共事業に多額に投資するだけで、拠点をつくってこなかったことが間違いだったと自民党政治を批判。ハブ機能は24時間国際拠点化することであるとしたうえで、港湾についても選択と集中を行うなかでハブ機能を高め、競争力を高めていきたいとした。

 円議員は、自身が提唱する個々の人たちのライフスタイルを重視し、人間中心に経済や社会の在り方を考えるとする「ヒューマン・ニューディール」政策に言及、これまで自らが取り組んできたNPO通じての在宅就業支援ならびにNPOへの税制面での支援について見解を求めた。

 鳩山総理は、仕事と調和を目指す働き方のひとつとしての在宅就労支援、NPOの税制面での支援を実現させていくと明言。少子化問題や女性を取り巻く状況の改善へのビジョンについても、「ヒューマン・ニューディール」は鳩山内閣が目指す政治のど真ん中の考えだとして、「役立たせていただきたい」と述べた。特にワークライフバランス、女性の能力開発の支援、トップの意識改革が大事だと指摘、衆院で54名、参院で42名の96名の女性国会議員が活躍していることにも触れ、「男女共同参画社会の実現に向け頑張っていかなければならない。目標の早期達成のために、女性の視点に立った政策をつくりだしていきたい」と意欲を示した。

 菅直人副総理大臣も、雇用政策在宅就労支援について、新たな分野をいかに創造していくかが重要だと指摘、貧困の問題にもしっかり取り組んでいくと表明した。

 「鳩山外交の目指すものは」との問いに鳩山総理は、「友愛の精神」に基づき、外交においてリーダーシップを果たし、国と国との架け橋としての役割を果たすべきだと主張。核、地球温暖化、貧困等の問題に対し、日米同盟重視していくなかで東アジア構想も大きな意味があると強調した。

 岡田外務大臣は、鳩山大臣の掲げる外交政策を積極的に推進させていくとしたうえで、「外交とは国民の理解と信頼を得られなければ弱いものになる。理解と信頼を得られるようしっかり取り組んでいく」と改めて決意を表明。

 最後に今後の抱負を求められた鳩山総理は、細川内閣が短命に終わった最大の原因は官僚主導の政治を大きく変えることできなかったことだと分析、「新内閣として、官僚の能力を使いきる政治家のリーダーシップが必要。それには政治理念が重要であり『友愛』の精神、弱肉強食の資本主義から温かい社会をつくっていく。新しい政治をつくりだしていくので協力を」と呼びかけ、答弁を終えた。
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