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2009/10/30
【参院本会議】亀井議員、連立与党の立場から総理の所信表明質す




 参議院本会議で30日、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して亀井亜紀子議員が質問に立ち、「連立を組む国民新党の視点から」問うとして、鳩山由紀夫総理大臣(代表)の所信表明演説および今後の施政方針について質した。

 まず、小泉構造改革への評価について尋ねたいとして、改革が進み、日本社会が変わった結果、一億総中流社会は格差社会になったとして、「総理は一連の小泉改革をどう評価するか」と、所見を求めた。

 鳩山総理は、小泉構造改革の評価に関して、「新自由主義を標榜して、結果として日本を弱肉強食の社会のなかで、結果として地域の絆がずたずたに切り裂かれてしまった」との見方を示し、「この罪は極めて重い」と指摘。その罪を皆さん方の総意で解決していくか、爪あとを直していくのが新政権の役割だと感じていると答弁した。行き過ぎた市場主義から人間のための経済に大きく方向転換することだとした。

 次に郵政民営化の見直しについて質問。「民から官への逆戻りは許されないという一部メディアの論調も見受けられるが、そもそも民営化の何が問題だったのか」と、亀井静香郵政改革大臣に問いかけた。

 亀井大臣は、4年前に北海道から沖縄まで張り巡らされたネットワークをズタズタにし、350兆円のお金をアメリカに持っていかれるための道筋をつけていくということが判明したので断固として反対したと強調。そのうえで、「今日、郵政抜本見直しの第一弾の法律を国会に提出した」と報告した。

 亀井議員はまた、原口一博総務大臣にも質問。小泉政権で郵政民営化の制度設計をした竹中元総務相が、「民営化して利益額も納税額も2倍になり始めた矢先に元に戻すことは将来の国民負担を大きくする」などと、批判を強めている点をどう見るか質問した。

 これを受けて原口大臣は、「日本郵政グループの経常利益は2倍どころか2分の一を上回ったのが現状」と指摘し、竹中元大臣の指摘について「何をもってそう言っているのかわからない」と批判。また、すべてが良くなると主張した竹中改革は間違いだったと述べ、本来であれば民営化は公益性を高めなければならないはずが、私物化が進んだとも指摘。本来の郵貯、郵便局の機能を取り戻すことで、振り込み詐欺の減少にも繋がるとの見方を示し、まさに地域に根ざした郵便局ネットワークを守ることが私たちの使命であるとした。

 亀井議員は雇用問題に関しても質問。総務省発表の8月の完全失業率は過去最悪の5.5パーセント、また厚労省発表の8月の有効求人倍率も0.42倍と過去最低を記録したと明示。「年越し派遣村を繰り返さないため、政府は緊急雇用対策を決定した。来年3月末までに雇用創出10万人を目指すとしているが」と前置きし、総理にその具体策の提示を求めた。

 「職を失い、生活に苦しんでいる方々を第一にその支援を考えていきたい」と鳩山総理は述べ、新卒者などを中心とする雇用のミスマッチの解消、介護分野や農林業などを中心とする新たな雇用の創造などを政府として後押ししていくと表明。「特に地域の活性化のためにも肝要。細やかで機動的な内容になっている。この対策の実施に向けて政府が一丸となって取り組む。国民一人ひとりが安心と安全を実感できる社会を実現していく」とした。

 亀井議員は最後に、離島対策には国防の観点から力を入れてほしいと問題提起。昨年対馬を視察したことも明かし、国境の島、対馬は防人の島であり、そこに居住することで領土を守っているのだから過疎にしてはいけないとの求めがあったことにもふれ、「私の地元、島根県にも隠岐の島、その一部である竹島がある。『争いの海』ではなく「実りの海」にする努力が国家として必要だ」と表明した。
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