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2009/11/25
【女性議員ネットワーク会議】「子どもの権利を実現する自治体をつくる」研修会を開催




 「2009年女性議員ネットワーク会議」は25日午前、前日に引き続き党本部にて研修会を開催した。

 森田明美・東洋大学社会学部社会福祉学科教授から「子どもの権利を実現する自治体をつくる」と題して講義を受けた。

 講演の中で森田氏は、子どもたちの育ちの現状として、(1)おとな中心社会の中で、子どもの存在・育ちが、相対的に軽視されている(2)親も子育てしにくくなっている(3)子どもの権利侵害が強まっている(4)子どもの周辺に、子どもの立場で子どもの成長発達のことを考える人が減少している――などについて指摘した。

 その上で、おとなの抱えている問題が子どもの問題へとつながっている要因として、(1)子育て責任の家庭への押し付け強化(家族への依存と社会的養育の脆弱さ)(2)母親への過度の依存(ジェンダー課題)(3)子育て家庭の家計維持偏重と子ども後見不在の暮らし(おとな中心生活と子ども施策不在)(4)子育て家庭の孤立化・支援者不在と少子化対策中心の子育て支援(少子化子育て支援:保育支援への偏りと子ども施策不在)(5)宗教・企業・市民活動が弱く、子どもの権利への理解不足の実態を前に、支援を公と家族・親族に依存(6)予防・回復支援の重要性への認識と地域整備の遅れ(7)青年期の社会的自立の支援不足――等を列挙した。

 今後、市民と行政の連携を進めるために必要な視点として、(1)丸投げ・丸抱えの二極化した考えからの脱却(2)行政依存から市民の意識改革(3)目的(目標)と情報の共有(4)調査・研究・学習による想像力の喚起(5)自立と信頼(尊敬)の関係の構築(6)役割と責任、権限の明確化――を指摘した。

 参加した議員からは「子どもの権利をどのような構造で実現するのかという視点が大切だ」との活発な意見も出され、研修を終えた。

 研修会には、小宮山洋子・男女共同参画推進会議議長、太田和美・男女共同参画局長も参加した。
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