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2009/12/01
日銀 10兆円規模の資金供給「これを機に経済が上向きに転じることに期待」鳩山総理


 鳩山由紀夫総理大臣(代表)は1日夕、首相官邸で記者の質問に答え、「2009ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が発表され、年間大賞に「政権交代」が選出されたことに関して、「政権交代を国民のみなさんと成し遂げたということで、流行語大賞に選ばれたことはありがたい」とコメント。そのうえで「あまり政権交代が流行語になってはいけないのかなと思う。冗談ですが」と笑顔で語るとともに、「民主主義は政権交代が必要だと思うので、その意味ではいい」と重ねて発言した。

 また、「事業仕分け」「仕分け人」といった言葉のランキング入りも確認したうえで、「事業仕分けや仕分け人が頑張ってくれたことを国民の皆さんが評価してくれて、政治が変わった、いっしょに参加できるぞという思いやムードが広がったことは、正しい日本の政治の姿をお見せすることができたと思っている」と表明。そうした認識を踏まえて、「『政権交代』よりも『事業仕分け』が私自身の流行語大賞かもしれない」と語った。

 続いて、同日午後の日銀の緊急会合で10兆円規模の新たな市場への資金供給が決定したことに関連して、「政府と日銀が認識を共有できたことは大変喜ばしい」と分析。「デフレが緩やかであるけれども広がってきているなか、このデフレを止めて、経済を活性化させなければならないという思いのもとで、政府も動き、日銀が行動で示してくれたことは、頑張ってくださったと評価している」と述べるとともに、「これを契機に、日本の経済が上向きに転じることを期待したい」とした。

 検討中の経済対策の規模感については、「今週中にも発表したいと思っている」と前置き。あわせて「お金の額以上に国民の皆さんにとって『これで先行きを頑張るのだ』と勇気を与えるような、そういうメッセージを伝えるような経済対策を打ちたい」と表明。「それにはそれなりの規模が必要だと理解しているが、規模以上にさらに効果がある経済対策として考えていきたい」と述べた。

 1972年の沖縄返還を巡る日米交渉の「密約」に関する文書が情報公開請求で不開示とされたのは違法だとして、国に不開示決定の取り消し等を求めた訴訟の口頭弁論が同日、東京地裁であり、当時の対米交渉の責任者だった吉野文六・元外務省アメリカ局長が証人として出廷した問題に関しても、総理は見解を示した。

 吉野証人は、米国が本来は支払うべき土地の原状回復補償費400万ドルなどを日本側が肩代わりするという密約の存在を認める発言を行った。

 鳩山総理は、密約があったとしてもそれをなかったと自民党を中心とするこれまでの政府はいい続けてきたわけだから、政権が変わらない限り、密約を認めにくい背景があっただろうと指摘。しかし現段階では、岡田克也外務大臣のもとで、米国との間のことも含め、特に外務省において密約についての調査を進めていることに改めて言及し、今回の件は「そのなかのひとつの貴重な証言だ」との見方を示した。そのうえで、「事実関係を確かめている最中であり、政権としても事実関係を確認できた暁には、そのことを国民の皆さんにしかるべき手段でお知らせしたいと考えている」と語った。
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