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2010/01/19
財務省改革、霞が関全体を変える第一歩に 菅副総理が会見で


 菅直人副総理兼財務・経済担当大臣は19日午前、官邸内で行われた記者会見で財務省改革(下記ダウンロード参照)について報告し、財務省が中から改革することで霞が関全体を変える第一歩になるとして、改革への意欲を示した。

 菅副総理は、同日事務次官から報告があった財務省改革の方向性について説明。この改革案は、財務大臣就任直後の菅副総理の初の指示である、「霞が関の象徴とも言える役所のビジネスモデルを、中で働いている人にとっても働きやすく、同時に、より国民のための仕事をする役所に変えていくためにどうすればよいかを検討するように」との求めを受けて示されたもの。「財務省改革のスタートの方向性が出た」と述べた菅副総理は、若くて有為な人材が誇りとやる気をもって公務に精励できるようにするものだとその趣旨を説明。昨年夏、政権交代前に訪れた英国の制度では、ほとんどが定時で仕事を終えられるうえ、仕事の内容自体は日本に劣るわけでもテリトリーが異なるわけでもない点を踏まえ、「なぜ日本ではそうなっていないのか」と問題提起したものだとして、事務次官には同日示された報告の線に沿って進めるよう指示したと明かした。

 財務省改革は、(1)趣旨、(2)検討体制、(3)主な検討項目の3項目。具体的には、事務次官のもと、省内の中堅若手を中心とするプロジェクトチーム(部内公募)による検討を開始。部内職員はじめ外部有識者および財務省退職者等、多方面の意見を集約した後、改革を提言する。

 主な検討項目として、これからの役人の在り方、オープンな人事制度の構築、働き方の見直し(平日にデートができる勤務形態の確立)、縦割り意識の払拭、誇りと安心を持って公務に専念できる環境整備の5点を列挙。菅副総理は、働き方の見直しに関連し「国会のあり方にも関わってくると自身は認識している」とも述べ、より踏み込みんだ意見を求める姿勢を示した。

 また、公務に専念できる環境整備の中で「定年前後の専門知識の積極的活用」としていることについては、「民主党政権は天下りは基本的に禁止としているが、だからといって50代半ばで仕事をしないでいいということにはならず、 60、70代になっても場合によっては仕事の性質を変えたり、働き方を変えるなどして、天下りではないかたちで元気のいい高齢者に働く機会を提供していく」と主張。成長戦力のなかでも指摘した労働力働力低下に対する女性、高齢者の労働参加にも資するものだとして、財務省のモデルとして推進させていく考えを述べた。今後、今月中にもこのチームを立ち上げ、ヒアリングを行った後4月末頃迄に報告を行う予定。

 菅副総理は、「経験者を含め、(財務省の)中で働いている人に本音で、意見をまとめてもらう。霞が関を変えるには外からの『天下り禁止』や『政治主導』など必要なことはやらなければいけないが、自分たちの中で変えると、そのときに本当に変わると思う。財務省が変わる、ひとつのモデルを示すことができれば霞が関全体を変える大きな一歩になるのではないか」とその意義を強調。厚生大臣時代にも薬害エイズの資料を見つけるために同様のチームをつくったことあるとも話した。

 チームは基本的に事務次官の下に置かれるもので、「自主的なところで何が出てくるのかを見守っていきたいし、期待している」と求め、「自分たちを守るだけの案ができてくるのか脱皮したいと言う案が出てくるのか、脱皮したいという案が出てくることを予想するとともに期待する」と重ねて要請した。
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