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2002/05/09
【衆院事態特】枝野議員、実効性なき有事法案を鋭く批判


 民主党の枝野幸男政調会長代理は、9日の衆議院武力攻撃事態特別委員会で質問に立ち、有事関連法案について中身が伴っていないと厳しく批判した。

 まず枝野議員は、自衛隊法の改正で「工事する場合、道路管理者や、港湾管理者に事前通知が必要となっているが、有事の際にそんな余裕があるのか。そもそも管理者を探している間に殺されてしまう」と指摘した。中谷防衛庁長官は「携帯電話などを利用し速やかに連絡、通知できるようにする」と答弁。枝野議員は納得せず、「但し書きで、事後通知を認めるべきだ」と修正を迫った。中谷長官は「乱暴な提案。どうぞ対案を出してください」と開き直った。

 さらに枝野議員は自衛隊法88条を取り上げ、「違法阻却の規定がある。88条は不十分ながら有事法制なのではないか。88条を具体化させ、戦争犯罪が起きないようにするのが有事立法ではないか」と指摘し、具体的に「橋やビルをあらかじめ軍事上の作戦で壊す場合の根拠は何か」と質した。中谷長官も「88条」と回答。枝野議員は「それなら88条で、今回の法案が通らなくても何でもできることになる」と法案の不必要性を指摘した。

 また枝野議員は、今回の改正によって、対処方針を閣議で決定しないと首相の防衛出動命令が出せなくなることを取り上げ、「1分1秒でも早く防衛出動命令を出せるようにするのが、有事法制ではないか」と質した。中谷長官は「速やかにできるようマニュアルをつくる」と有事を全く理解していないかのような答弁。枝野議員は「総理も1大臣という行政法規になっている。トップリーダーの判断でできるようにしないと有事法制にならない」と厳しく欠陥を指摘した。

 さらに枝野議員は、防衛庁職員による会計検査院の公文書偽造・同行使を取り上げ「公務員には告発義務がある。どうして告発しないのか。処分しないのか」と迫った。中谷長官は「お詫びする。職員は厳しく注意した」などと述べ、告発は考えないとの答弁に終始した。枝野議員は「このような順法精神の持ち主が責任者では有事法制は任せられない」と長官の罷免を要求した。
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