2010/02/25
「第2回『新しい公共』づくりをめざした市民と民主党の政策形成プロジェクト」を開催
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民主党は25日午後、先月に引き続き、第2回目の「『新しい公共』づくりをめざした市民と民主党の政策形成プロジェクト」を党本部で開催し、子育て・保育のあり方についての意見交換が行われた。
冒頭、細野豪志企業団体委員長が、「第1回目は、NPOの制度そのものの意見交換だったが、今回は『子育て・保育のあり方について』と具体的なテーマも限定されているので、今日、しっかりとみなさんからお話しを伺い、政府としてしっかりと検討すべきというものがあれば、党としてしっかりと承り、政府の方に伝えることも含め、今日は有意義な会議にしていきたい」と挨拶した。そのうえで、「この会は、あくまで双方向の市民団体、NPOのみなさんと民主党の双方向のやり取りの会合。したがって、今日はNPOのみなさんからもご意見を頂くが、議員の側からも意見を述べさせていただきたい。会以外にも出来るだけ早い段階で、ホームページも立ち上げ、みなさんからも情報発信なども出来るようなプロジェクトにしていきたい」と抱負と期待を述べた。
続いて、谷博之・党企業団体対策委員会委員長代理(NPO担当)が、今後の会合として、3月24日または25日に雇用をテーマにして行う予定であること。4月は中下旬に平成23年度の国の予算に向けた様々な提案について行う予定であること。また、3月21日(日)に、石川県金沢市でこの会を開催することを報告・紹介した。そのうえで、「可能な限り全国の各地で開催し、意見交換していきたいので、ご希望があれば、是非、ご連絡いただきたい」と参加者に呼びかけた。
各団体の報告・政策提言として、連合総合政策局の中島圭子氏からは、(1)子ども・子育て支援の財源保障(2)サービスの利用保障を強化(3)サービスの質を維持・改善、子どもの権利を擁護(4)社会全体で子ども・子育て財源の重層的な負担構造を維持(5)子ども・子育て支援の政策コスト効率化(6)多様なステークホルダーの参画と多様な担い手の参入を促進――の6点からなる多様なニーズに的確に対応し、現金給付・現物給付を適切に組み合わせて切れ目なく体系的に提供できる仕組みを構築する連合が提案している「子育て基金」(仮称)についての説明があった。
社団法人全国私立保育園連盟常務理事の菅原良次氏からは、新「保育・子育て」制度と「幼・保一体化」への対応について、(1)「子ども・子育てビジョン」を実現するための基本的要望(2)幼保一体化については政府の国家戦略局で検討すべき(3)「生命と育ち」「保育と教育」を保障する児童福祉施設の「最低基準」を国・市町村において遵守する(4)新「保育・子育て」制度と「幼保一体化」は「すべての乳幼児を対象とした」制度設計が大切(5)待機児童解消には、育児休業と併せ家庭的保育、一時保育、地域子育て支援拠点事業の拡充とワークライフバランスの推進を行うことが必要――と提案された。
子どもNPO・子ども劇場全国センター代表の竹内延彦氏は、(1)「新しい公共」は未来社会への投資(2)人々がお互いの存在を尊重しあいながら生活し、子どもから大人までが幸せに成長しあえる「地域社会」を求めるとし、「市民主導による『地域の育ちあい』プラットフォームの創設」を提案した。
一般社団法人日本サードセクター経営者協会事務局長の藤岡喜美子氏は、全国画一的でなく分権化をすすめ、地域の裁量権を拡大し、地域の資源を活かすための地域の実情に合わせた子育てバウチャー制度について政策提言を行った。
日本の子どもNPOセンター理事の小木美代子氏からは、子ども(とくに児童)の地域活動拠点としての学童保育(所)の今日的課題として(1)指導員の確保とその質の問題(2)公民問わず、適切な遊休施設を自治体が買い上げるなどし総合的に対処できる施設の必要性の2点が指摘された。
各団体の報告・提案後に、フロアーの参加者、国会議員を含め、それらに対する質疑応答や活発な意見交換が行われた。なお、司会は大河原雅子参議院議員が務めた。
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