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2010/03/13
高知市内で農林漁業関係者と意見交換 赤松農水大臣




 赤松広隆農林水産大臣は13日午後、高知県高知市内で農林漁業関係14団体の方々と懇談。それぞれ地元の現状、課題を聞くとともに、今後の取組みに向けて意見交換した。

 赤松大臣は冒頭、農林漁業に従事するの方々が安心して働ける仕組みをつくっていきたいと挨拶。農業については、40%という日本の食料自給率は問題であり、まずは50%まで引き上げなければならないと指摘。「食料安全保障」という概念も生まれてきたとして、「日本の食料農業農村基本計画」を今月末まではとりまとめる方針を示した。漁業については、資源の低迷、漁価の低下など「漁に出れば出るほど赤字になる」という現状の改善が急務だと主張。平成18年以降、魚食と肉食とが逆転したことにも触れ、漁業を応援していく必要性を述べた。

 懇談では、農業の戸別所得補償制度、野菜価格安定制度、漁業関連ではまき網漁業やかつおの不漁やカツオ・マグロの漁船の減少問題をはじめ幅広く意見交換。農業の戸別所得補償制度について赤松大臣は、「モデル事業の定額部分の単価は都道府県別またはブロック別に設定すべき」「モデル事業の円滑な実施に向け過年度分の在庫の対策を」といった意見に対し、「全国一律単価としていることから、生産を効率化しコストダウンを図る取り組みや、農産物の品質を向上させ販売単価を高める取組み等を行っている地域は、その努力に応じて所得の向上が図られる仕組み」「生産数量目標に即した生産を行うものに対し、その所得を補償するという強力なメリットにより需給の引き締め効果が期待される」などと丁寧に説明。政府買入れによる価格維持を図ることには、需給調整参加者より非参加者に大きく及ぶことから不適切だとも述べ、理解を求めた。

 そのほか、流通の過程における中央卸売市場に関する赤松大臣の見解が問われ、市場外の流通形態もあっていいが全くなくなると買い叩かれることにもなると述べ、市場機能は必要との認識で一致。漁業関係者からは、CO2の吸収率が一番大きいのは水面であり、環境対策の観点からも藻場の造成、人工漁礁の設置が必要との指摘がなされた。成長の早い海藻を育てることでCO2の削減に貢献、そのモデルケースを高知でつくっていきたいといった議論が繰り広げられ、赤松大臣もこうした事業を支援していく考えを示した。

 なお、懇談会には赤松大臣のほか民主党から広田一、武内則男両参議院議員、黒岩県議会議員が参加、司会進行役五島正規県連副代表・政策調査会長が務めた。
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