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2010/04/06
【衆院本会議】「国家公務員法改正案」は天下り等を根絶する歴史的なもの 後藤祐一議員




 後藤祐一議員は衆議院本会議で6日午後、仙谷由人国家戦略・公務員制度改革担当大臣が趣旨説明した「国家公務員法改正案」に対して質問を行った。

 後藤議員ははじめに、現在の公務員制度にまつわる問題として、(1)官僚主導、(2)縦割り行政、(3)天下り――の3点を指摘。今回の法案は、これらの根絶を図る歴史的な法案だと評価。本法案の第一のポイントである幹部人事の一元化について、政治主導を実現するとの観点から、どのように行うかを訊ねた。

 仙谷大臣は、今回の法案は公務員改革の第一歩であり、引き続き労働基本権のあり方や定年まで勤務できる環境整備など、公務員制度の全般的かつ抜本的な改革に取り組んでいくと決意を表明。そのうえで、幹部人事の運用について、省益を越えた国民本位の行政を実現するためには官邸主導の人事配置を柔軟に行うことが必要であり、今回の法案では、幹部職員人事の内閣一元管理や、弾力化の仕組みを導入、内閣総理大臣、官房長官、各任命権者が協議の上適材適所の人事配置を行うものだと説明した。

 後藤議員はまた、幹部人事一元化により縦割り行政を是正、「省益」官僚ではなく「国益」官僚を育てるために他省庁や内閣周辺との間を行き来できるよう、局長から部長までチーム毎に交換するなど積極的に内閣人事局主導で決定すべきだと主張。天下りについては、本法案は約3000人とも言われる天下りのあっせんを明確に禁止する、画期的な法案だとする一方、役所の現役幹部ではなく、先輩OBが後輩を呼び寄せているような天下りは禁止できないとして、「あっせん禁止」に該当しないような「呼び寄せ型天下り」などに対する対応について質問した。

 仙谷大臣は、同法案は、組織の改廃等による離職を余儀なくされる職員を除き再就職の援助を行わないほか、新設する民間人材登用再就職適正化センターでは職員に対する一般的な再就職の援助は行わない等の措置により天下りあっせんを根絶、国家公務員の退職管理のいっそうの適正化を図るものだとした。また、同一省庁出身者が何代にも渡り特定の団体に再就職している指定席ポストへの対応については、現在改めて調査を実施している段階だとして、斡旋規制等に違反する疑いがある場合は、新たに新設する再就職等監視適正化委員会で調査を行い、違反事実が確認された場合は、懲戒処分等の措置を任命権者に勧告すると説明した。

 後藤議員は次に、天下りができなくなり定年まで役所にいる人が増えると、見かけの公務員人件費は膨らみかねないとも述べたうえで、独立行政法人や公益法人などへの天下りを禁止することで、各省がそれに伴う税金のムダ遣いを自ら別途探し出し財源に充てるという、菅直人財務大臣が主張する「ペイアズユーゴー原則」に言及、高齢スタッフ職を増やしていく場合の財源について答弁を求めた。

 菅大臣は、「十分可能。各省庁で『ペイアズユーゴー』の考え方を含めて積極的に取り組んでいきたい」と述べ、総人件費2割削減についても、労使交渉を通じた給与改正などにより4年間で実現を目指したいとした。

 これに関連し、独立行政法人や公益法人の事業仕分けとこれらへの天下りとの関係について枝野行政刷新担当大臣に質した。

 枝野大臣は、次回の事業仕分けでは独立行政法人や政府系公益法人について、事業そのもののチェックとともに、天下り先を確保するために続けて事業を進めてきたのではないかとの視点で厳しくチェックすると主張。公務員出身者が不可欠だとしてきたこれまでの役人とは違う視点でやることに意味があるとして、大胆に切り込むとともに、その結果をさらなる公務員改革に繋げていく覚悟だと述べた。

 最後に後藤議員は、公務員制度改革は、「国民のための行政を取り戻す」ために行うものだと強調。今後、国家公務員の総人件費2割カットを断行するなどさらなる改革により、安心できる年金・医療・介護・子育てを保障することが鳩山政権に求められているとの認識を述べ、まずは本法案の速やかな成立を願うとして質問を終えた。
 

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