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2000/05/10
給食のパンに市販より高い残留殺虫剤=佐藤NC大臣が問題指摘
 ネクストキャビネット(NC)の佐藤謙一郎環境・農水大臣は10日の衆院農水委員会で、学校給食で市販のパンよりも高い数値の残留殺虫剤が検出されている問題をとりあげ、農水省の姿勢をただした。

 佐藤大臣は「民間団体の今年の調査では、12の胚芽・全粒パンから有機リン系殺虫剤のクロロフィルコスメチルが5・1ppb(※)、マラチオンが3・1ppb検出されている」と指摘。小麦を輸入する食糧庁を監督する農水省の責任を追及した。だが玉沢農相は、具体的な農薬の名を挙げずに「厚生省の基準値では、1回に40kgのパンを1日3回、一生食べ続けなければ影響が出ない」などと答弁。

 さらに佐藤大臣は、別の民間団体の93年と95年の調査で、190の学校給食用パンからマラチオンが7・1ppb検出された例を挙げ、「厚生省の基準値は成人男性を対象にしている。しかも化学物質過敏症は基準値よりも低い数値で影響が出る。児童が小さい体で汚染された学校給食を食べ続ている現状に、農水省はどう対応するのか」と迫った。
※ppb=微量単位。10億分の1
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