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2010/05/01
鳩山総理、前政権まであいまいにしてきた水俣病の国の責任認め謝罪 「水俣条約」提案示す




 水俣病が公式に確認されてから54年。鳩山由紀夫総理大臣(代表)は1日午後、歴代総理大臣として初めて水俣病犠牲者慰霊式に参列し、被害の拡大を防げなかったことを被害者、遺族らに謝罪し、国として責任を持って償いを全うしなくてはならないと述べた。

 鳩山総理は祈りの言葉の中で、「水俣病のせいで、深刻な健康被害、差別、偏見、不和のために地域全体の絆を破壊してしまい、さらに新潟で第2の水俣病を引き起こしたことは痛恨の極みである」とした上で、「政府を代表して、かつて公害防止の責任を充分に果たすことができず、水俣病の被害の拡大を防止できなかった責任を認め、改めて衷心よりお詫びを申し上げます」と、関係した全ての方たちに対し、お詫びの言葉を述べた。

 そして鳩山総理は、「国として責任を持って、被害者の方々に対し償いを全うしなくてはならない」との認識を示し、公式確認から54年を経てなお、多くの方が救済を求めており、高齢の方もいるなど大きな課題が残されている」とし、「鳩山内閣の『命を守る政治』との基本的な考えの下に、水俣病被害者を迅速かつ全て救済する」との方針を改めて示した。 

 さらに国際的な水銀汚染防止の条約つくりに積極的に貢献していくとの考えを表明した鳩山総理は、「来年1月の第2回の交渉会議を我が国で開催する。2013年ごろの国際条約批准、締結会議を日本に招致し、水俣条約と名づけ水銀汚染の防止への取り組みを世界に誓いたい」との考えを表明した。

 鳩山総理は、「水俣病の犠牲となられて亡くなられた全ての方々のご冥福をお祈り申し上げ、祈りの言葉とする」と締めくくり、水俣病のような悲惨な経験を再び繰り返さないようにしていくことを誓った。
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