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2000/05/16
森内閣の『森、青木、宮沢』3点セットを追及〜足立良平参院議員が本会議で
 民主党・新緑風会の足立良平参院議員は16日の参院本会議に立ち、森首相に対し、「神の国」発言の真意を厳しくただした。また、亡くなった小渕前首相の発言をめぐって二転三転する青木官房長官の発言について、「医師団の会見との食い違いを見ると、青木長官の発言の信ぴょう性にますます疑念が生じた」と指摘。「首相自身の違憲の疑いがある発言に加えて内閣の有力な閣僚に次々と適格性の問題が起き、もはや失言では済まされない重大な支障が生じている。森内閣は即刻総辞職すべきだ」と主張した。

 足立議員は、森首相の「神の国」発言の違憲性を追及。(1)「日本は天皇中心の神の国」という発想・発言は、憲法前文の国民主権と第1条の象徴天皇制に反するのではないか(2)首相は「神も仏も大事にしようと、学校でも社会でも言うことが一番大事なのではないか」と述べたというが、国による宗教教育その他いかなる宗教的活動を禁じた第20条第3項をどう考えるのか(3)首相発言は国務大臣の憲法尊重擁護義務規定に反するのではないか――などについて、真意を明らかにするよう求めた。

 足立議員は宮沢蔵相問題にも言及。ゼネコン汚職であっせん収わい罪に問われた中村喜四郎元建設相が裁判で、宮沢首相(当時)から首相官邸でゼネコン問題の政治決着費として300万円を受け取ったと証言したことを挙げ、「首相当時の宮沢氏の職務権限の行使のあり方などにもかかわる問題だ」として、事実関係を明らかにするよう求めた。

 足立議員の質問に対し、首相は「首相として憲法の規定を遵守し、その完全な実施に努力することは当然」「主権在民の考え方に反することを申し上げたものではない」などの言い訳に終始。宮沢蔵相は「中村氏は時々(官邸を)来訪していたが、独禁法関係で話し合ったり、金を渡したことは一切ない」と中村証言を完全に否定、青木官房長官も「私の発言は終始一貫して何ら変わらない」と従来答弁を繰り返した。
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