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2010/05/21
【参院本会議】地球温暖化対策基本法案に関し、小沢環境大臣が趣旨説明、大久保潔重議員が代表質問




 参議院本会議で21日、内閣提出の「地球温暖化対策基本法案」が議題となり、小沢鋭仁環境大臣が趣旨説明を行ない、大久保潔重議員が質問に立った。

 小沢環境大臣は、「地球温暖化は、世界全体で協力して対処すべき人類共通の課題であり、我が国は、国際的なリーダーシップを発揮していく」と決意を表明。温室効果ガスの排出量削減目標について、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際的な枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提に2020年までに1990年比で25%減、さらに長期的観点から2050年までに80%減、再生可能エネルギーの供給量を2020年までに一次エネルギー供給量に占める割合を10%に達するよう、目指すとして、これらの中期目標を達成するため、あらゆる政策の総動員とその政策を体系的に明らかにし、2013年以降の次期枠組みづくりのための国際交渉に向け、日本の地球温暖化対策の基本的な方向性を示すものだとその趣旨を述べた。

 小沢大臣は、基本原則、温室効果ガスの排出量削減に関する中期的目標、地球温暖化対策の基本となる事項など概要を説明。基本的施策については、国内排出量取引制度の創設、地球温暖化対策のための税の検討その他の税制全体の見直し、再生可能エネルギーに係る全量固定価格買取制度の創設のほか、原子力に係る施策、エネルギーの使用の合理化の促進、地球温暖化への適応、国際的協調のための施策等を定めるとした。

 大久保議員ははじめに、本法案の成立により排出量削減の実現をどう図るかを鳩山由紀夫総理に訊ねた。

 鳩山総理は、本法案に明記されている国内排出量取引制度、地球温暖化対策のための税など、あらゆる施策を総動員させて実現を目指していくと主張。「日本の高い技術力をもってすれば環境技術で必ず世界をリードできると確信している」と実現に向けた決意を述べた。

 次に大久保議員は、趣旨説明のなかで示されたシーダーシップに関して、「国際社会のなかでどう発揮し、どのような取り組みをするか」を小沢大臣に質問。

 小沢大臣は、コペンハーゲン合意を基盤として、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な枠組みを規定した法的文書の速やかな採択を目指し、国際交渉の発展、進展に貢献していくと表明。25%削減目標を掲げ、主要国の意欲的な目標の合意を目指して働きかけていきたいとした。「途上国支援については、鳩山イニシアチブを積極的・機能的に活用し、国際交渉の前進に努めていく」と述べ、国際交渉をリードしていくためには日本が率先して対策に取り組むことが必要であり、その観点からも早期成立をと求めた。

 さらに大久保議員は、「実に画期的であると」と法案内容を評価したうえで、経済活動条項、排出量取引制度における総量規制、原子力条項に関して小沢大臣の見解を質した。

 小沢大臣は、経済活動条項に関しては、温暖化対策にはプラス、マイナス双方の影響があるとして、事業者および国民の理解を得ることの重要性を説くものであり、影響が大きいからといって対策を後退させるものではないと明言した。

 国内排出量取引制度については、「排出の全体量をコントロールする点で極めて有効な手段であり、全体の総量を着実に削減できる範囲で補足的に原単位を活用できるよう検討しながら、総量規制を基本とした制度を設計、導入したい」と述べた。

 原子力に係る施策に関しては、原子力発電も重要な施策のひとつだとして、安全の確保の旨とし国民の理解と信頼を得て推進することが必要だと答えた。

 大久保議員は最後に、国民生活を守ることを第一義に、先には地球を守ることを意識しながら「Think globally、Act locally」を地道に実践し、国民の皆さまの負託に応えられるよう頑張っていくと表明し、質問を終えた。
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